「 美容外科 」と聞いて、恐ろしいイメージを持っている方も多いと思います。特に失敗して顔が崩れたとか、マスコミ・ドラマなどでの誇張された美容外科のイメージは結構、浸透してしまっているようです。実際、美容外科医の中には十分なトレーニングを受けていない医師もいて、技術的なトラブルもあるようですが、通常のトラブルの殆どは患者さんと美容外科医の意見・考え方のすれ違いによるものなのです。顔が崩れたとかそんなトラブルは、まずあり得ないくらいの確率です。安心して下さい。ですから、以下にお示しする説明をよくお読みになり、美容外科についての十分な知識をお持ちになった上で診察を受けて下さい。きっとあなたのお役に立つはずです。

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二重瞼の手術は美容外科の手術の中でも最も代表的なものです。正しく行えばまず問題が起こることはありません。多くの人は人工的に二重をつくる接着剤で二重をつくっていますが、かぶれや毎日の手間、長期的な費用の問題から、私自身は手術をお勧めします。手術には切開法と埋没法があります。切開法は文字通り皮膚を切る方法で、やり直しがきかないこと、抜糸が必要なことや少しは傷が残ること、腫れが長く続くことから、しわ取りを兼ねた高齢者やまぶたが腫れぼったい人を除き、若い人には埋没法をお勧めします。この埋没法にもいくつか方法があります。通常は瞼板といってまぶたの裏の硬い部分に数カ所糸をかけて、皮膚と固定する方法を行います。角膜にふれる部分に糸があるので、眼科医からは否定的な意見も出てはいます。もう一つの方法はまぶたをあげる筋肉に糸を一カ所かける方法(厳密には1本の糸で2カ所固定を行います)で、本来の二重と全く同じように二重をつくります。やや技術に熟練を要すること、わずかに腫れが強いことが難点です。どちらかというと私はこの方法をお勧めします。もちろん、埋没法は糸が外れるというリスクがあります。埋没法を実施して、数年後には一重に戻ったような場合には、選択肢として切開法が第一になるでしょう。 問題が多いのは切開法です。異常にくっきりした二重になったり、脂肪の取りすぎで、三重や四重になったりというトラブルがあります。技術的に一見簡単に見えるため、経験の浅い医師のもとではこのような問題が起こり得ます。修正はできますが、非常に困難で数回の手術を要することもあります。一方埋没法は、一重に戻ることがあります。これは埋めた糸がはずれたためです。これは逆に、2〜3ヶ月間は糸をはずせば一重に戻せるということにもなります。
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| 隆鼻術は鼻すじを高くするために、鼻の中を切って、鼻すじにシリコンを挿入する方法です。異物に恐怖感がある人には自分の体の一部(耳の軟骨や大腿の筋膜)を用います。以前より異物が皮膚を破って出てきたり、透けて見えたりというトラブルが起こっていますが、材質の良くなった現在、あまり見かけることはありません。但し、挿入するシリコンは、本人に合わせて削り微調整をするのですが、これが不十分で、角が出たり、また無理に大きいものを挿入するとトラブルの原因になります。控えめが一番です。無理をしてもろくなことはありませんし、私自身は無理なものはお断りします。特に鼻は本人の希望がなかなかわかりづらく、失敗でなくても患者と医師の考え方のずれでトラブルが多い部位の一つです。神経質な方は隆鼻術はお勧めできません。 なお、鼻に入れる固形のシリコンに関しては安全性が確立されており、問題はありませんが、異物を入れるわけですから絶対にということはありません。強くぶつけると飛び出すこともあり得ますし、加齢によってシリコンのラインが浮き出ることもあります。ご自身の軟骨や筋膜を入れる方法が異物に対する将来的不安も少なく、より安心です。これはシリコンのようには細かい細工ができず自由度が少ないこと、採取する部分に傷跡が生じるのが欠点ですが、細かい希望のない方なら永久的に安全な方法で、お勧めしており、当院では大半の方がこの方法を選択しています。正直に言って、私はシリコンによる隆鼻手術は好きではありません。 |
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最近普及してきたものに脂肪吸引があります。へその横など目立たない部分を数ミリ切開し、細い管を入れて、脂肪を吸引するものです。たいていの場合局所麻酔で可能ですが、広範囲に行う場合は全身麻酔・入院となります。輸血が必要なほど大量の吸引はできません。また、男性の場合は内臓脂肪が多いこともあり、吸引ができるのは皮下脂肪のみと認識して下さい。手術後は2〜3週間は皮下出血を起こします。また、手術したところの感覚がしばらくの間鈍くなりますが、必ず戻ります。よく手術をしたところがでこぼこになったという話を聞きますが、よほど雑にしないとそうはなりません。ただし、気にして触ってみると、少しでこぼこ(硬いところがある)した感じがするかもしれませんが、時間とともにある程度改善します。 しかし、広範な吸引は全身麻酔などよりダイナミックに全身を管理する必要もありますので、当院では安全のため脂肪吸引自体、基本的には実施しておりません。 ただし、脂肪吸引は体重を落とすダイエットではなく、気になる部分をスリムにする方法であり、バランスよく痩せるためにはきちんとしたダイエットの方がよいと思います。 |
| 豊胸術は国内外で今まで多くのトラブルの歴史があり、国内では、シリコンバッグは製造中止となっています。現在生理食塩水入りのバッグ(バッグの容器はシリコンです)などが用いられていますが、20〜30年後にその中身である生理食塩水がどうなるかわかっていない現在、私の考えとしては、責任を持って実施できないため、当院では控えさせていただいています(但し、固形のシリコンである隆鼻用シリコンは安全性が確立されています)。豊胸術は時間がたってから問題になることも多く、最近日本でよく用いられている、各種シリコンや特殊なジェルのバッグは諸外国では認可されていないものもかなりの数ある事から、もし実施するなら長期にわたるリスクマネージメントが重要になるでしょう。 また、そのものの安全性もさることながら異物であるシリコンの周りには硬い膜ができて、これによってかなりの確率で乳房が硬くなったりもしますし、生理食塩水入りバッグの場合、触った感触は違和感があります。ちょっと指で触れるぐらいではわからないでしょうが、恋人にはばれます。あくまで観賞用です。この点をよくお考えになって決心して下さい。決して私自身否定をしているのではありません。リスクを認識した上で、自分の美に対する欲求の満足を得るためには、豊胸術も重要な手段の一つです。 |
| 形成外科の日常の仕事の中心は、いかに傷を目立たなくするかということでした。傷跡はそれなりの知識・技術を持った形成外科医でないとなかなか綺麗にはならないものです。しかし運動障害があるほど引きつれた傷跡でないと、後遺症としての手厚い補償はなく、単なる醜形として軽んじられているのが現状です。交通事故で命に別状はなくても、顔に醜い傷跡を残せばその人の人生は狂ってしまいます。顔に傷跡があるがゆえに素顔で人前に出られない人もいるのです。そんな場合に特殊な方法で縫い直して傷を目立たなくするだけで、患者さんの人生が変わることも多く経験しました。傷跡修正はあきらめることはなく、最も確実に改善する手術の一つです。気になる方は是非お勧めします。しかし、傷を消すことはできません。僅かな傷跡には手術は向かないのです。その場合はピーリングやレーザーなどを正しく選択して治療にあたっています。もちろんケロイドになっているような傷跡でもレーザーや注射など各種方法を用いて改善を図りますし、メスだけで治療しているわけではありません。 |
| これは美容外科の項目に入れるべきものではありませんが、手術の一つとして紹介いたします。 陥入爪は、爪の横が皮ふに食い込んで痛かったり、化膿したりするもので、靴が足に合っていなかったりすると徐々に爪が曲がってくる病気です。フェノールという薬品を用いて曲がった爪の根っこを焼き、二度と曲がった部分の爪が生えないようにすることで治癒することができます。非常に簡単な手術です。翌日から入浴も靴を履くことも可能です。びっくりするほど簡単です。もちろん病気ですから、保険診療です。 |
| その他にも顔面の輪郭やでべその修正、婦人科的な小陰唇形成、唇の形成、目頭切開など多くの美容外科手術があります。これらについては割愛させていただきますが、当院でご相談を承っています。人に言えない悩みは誰もが持っているものです。それを解消することで、気持ちも明るくなり、コンプレックスから解放されます。美容外科はまさにそのために存在価値があり、幸福の医学なのです。 |
以上、最後まで読んで下さり、有り難うございました。難しい話もあったとは思いますが、治療内容につきよく知っていただくことこそが重要なのです。ご自身十分な知識を持った上で、希望を我々に伝えて下されば、予想外の結果やトラブルは起こりにくくなるのです。どこの美容外科・形成外科に行くかはご自身で選択すべき問題ですが、しっかりとした希望条件や費用などを我々医師にお伝え下さい。医師がみんな商売熱心な悪徳医なわけではなく、トラブルのほとんどは患者さんとの考え方のすれ違いによるものなのです。費用の面でも希望を伝えるのは恥ずかしいことではありません。また治療方針も医師に従う必要はないのです。納得がいかないことがあれば、必ず事前に伝えて下さい。その中で最善の治療法を話し合って決定したり、また無理なことは無理だとこちらでも説明いたします。ただし、一度治療を始めたならば、医師の方針に従って下さい。自己判断ほど危険なことはありません。