No.71 トラクリのいつもの出来事 (後編) 02.06.14

今まで、いろいろな「実験」風景をお話してきたが、実際には「前編」に挙げたような、正統派な出来事ばかりではないのが、「実験」の「実験」たる所以であろう。「出力が強くて、痛かった」などというのは、まだかわいいほうである。
例えば、私の夫などは、私が、かなり頻繁に、自分の顔にテープをつけたり、内出血させたりして(私は、内出血を起こしやすい体質である)、帰ってくるので、最初の頃は、驚いて「どうしたの?何かあったの?」と聞いてきていたのだが、最近では、あまり動じなくなってしまった。

少し前の話になるのだが、「Nライトレーザー」がトラクリに導入されたばかりの頃、小鼻の下の毛細血管による赤みにも、「Nライト」が効くかもしれないという事で、「実験」という意味を含めて、私が自ら望んで、試してみることになった。
診療が終わってから、照射をしたのだが、これは、普通、顔全体に当てるレーザーの強さよりは、相当強い強さでの照射だった。当てている時は、痛いことは痛いが、特にこれといった表面上の変わりもなく、「レーザーが強い割には、何ともないんだね」と話をしながら、そのまま帰路についた。
その日は、仕事が終わってから、夫と、夕食を外で食べたのだが、彼は「なんか鼻の下が赤いね。」とだけ言って、普通に夕食を取ったのだった。
ところが、家に帰って鏡を見てみると、レーザーを当てた所が、尋常ではない内出血を起こしている。まるで、鼻血が垂れているような有様で、私は自分の顔を見て、驚きのあまり「ヒッ」と言ったように思う。
そういえば、外食した時の店員さんも、ちらちらと盗み見るように私の顔を見ていた。そうか、あれはこの所為だったのか…。と、悔やんでみても、後の祭りであった。夫よ、気づいていたなら、もうちょっとびっくりしてくれ。
その後、その「尋常ではない内出血」は、1週間近く続き、コンシーラーでも隠し切れず、患者さんにも、何度も「どうしたんですか?何か手術とかしたんですか?」と聞かれた。(泣)

また、これは、別の日に起こった「Nライト」の話なのだが、ある日、先生の顔にもテスト照射をすることになり、私が術者になった。いきなり、先生の顔に打つのは心配だったので、4発ほど自分の腕に試し打ちをしてみた。(その時、痛み・赤みとも全くなかった)先生への照射は、何事も無く終え、自分の腕にテスト照射をしたこともすっかり忘れ、その日は帰路についた。
ところが、翌日の土曜日、朝遅く起きた、ぼんやりした頭で、何気なく腕を見てみると、赤い丸い斑点のような物が、いくつか浮き上がっている。
「な、なんだこりゃ??」寝起きという事もあり、昨日、自分の腕に「Nライト」のテスト照射をしたことは、すっかり忘れていて、私は、冷や汗が出るほど、あせりまくった。口にこそ出さなかったが、かなり混乱していた私は、「なに?なに?なに?なに?聖痕?聖痕(※)??」と、頭の中でぐるぐる考えていた様に思う。本当に、かなり血の気の引く思いをして、「何でだろう?何でこんなものができてるんだろう?私は神に選ばれた人間で、何か使命を与えられるのか??」とまで考えていた私は、本当に「ただのあほ」というか、物語の読みすぎである。
冷や汗をかきながら、コーヒーを飲んでいるうちに、「あっ、昨日、レーザー当てたんだ」と、ふと気付き、神が与えたもうた(と、勝手に思い込んだ)、私の短い使命は終わったのだった。

その後、この二つの話を、友人らにすると、散々に笑われたのだった。まあ、たまには、こんな「くだらない」と言おうか、面白話、みたいな事も起こるのである。(単に、私のやっている事がくだらないとも言えるが)トラクリの日常は、こうして今日も過ぎてゆく。

※ 聖痕―キリスト教徒に現れると言われている印。腕などに赤く十字のマークが浮き出たりする。これが現れるのは、キリスト教徒にとっては、名誉なことなのだと思う(たぶん)。本当に浮き出たものなのか、「やらせ」なのかは不明。子供の時に「世界の不思議な話」みたいな本で読んだ。昔から、私はそんな本ばかり読んでいる。友人にも「そんな事考えるのは、世の中にあんただけだ」と言われた。

院長注:Nライトは正しく照射すれば何の問題もありません。無茶な照射をするともちろんトラブルも生じます。反省。

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No.70 トラクリいつもの出来事 (前編) 02.06.06

この業界は、レーザーを含め新しい機械の開発が本当に早い。どんどんと新しい機械が開発されては、それらの売り込みの業者が、次々と先生の所へやって来る。
私達が、それらの理論などについて説明を聞くという事は、ほとんど無いのだが、様々な新しい機械を、試しに貸し出してくれる業者もあり、そういう場合は、ほとんど必ず、スタッフで実験してみることになる。
スタッフは、年齢的にもほとんどが「お肌の曲がり角」に位置しているので(笑)、新しい機械の実験をするには、都合が良く、いろいろな機械を試しては、「これは効く」だの「効かない」だのと、診療時間が終わってから、みんなでやっている。

よく、患者さんには「新しい機械がすぐに試せていいじゃないですか」と言われるのだが、そう「いいこと」ばかりでもないのが、現実である。
例えば、「自他共に認める痛がり」の私が当ててみて、大丈夫だったら、大抵の患者さんが大丈夫だろう、などと、参考にされる事もあり、時には体を張っている感もある。私達もそうだが、先生もそうで、自分の「しみ」に当ててみて、効くか効かないか、試していたりする。実は、先生も体を張っているのである(笑)。

さて、最近の「実験」と言えば、やはり「Nライトレーザー」に尽きるだろう。なんと言っても、我がトラクリ最新鋭機器だ。もちろん、スッタフ全員が、すでに実験済みで、「目元のしわが、少し浅くなった」など、多少なりとも効果を感じられるようになってきており(受付N嬢だけは、年齢が若すぎて、あまり変わらなかった。)、こんなに、みんなが実感できる「実験」は、久々のような気がする。
この「Nライトレーザー」、非常にまぶしい光を発するもので、レーザー機器に慣れている私達でも、初めて照射された時は、まぶしくて、ちょっと怖かった。「患者さんは、もっと、きっと驚くだろうね」と話し合っていたぐらいの光量である。(痛みはそれ程無い)しかも、目元のすぐそばに照射すると、赤い花火のようなものが見えて、驚いた(これは、光が強いので、自分の「網膜」が透けて見えるのだそうだ。慣れると、けっこうきれいである)。

こういった「実験」は、この仕事をしていく上では、けっこう重要な事だと思っている。何故なら、私達が実際の治療を受けてみる事で、効果がわかると共に、患者さんにも、より臨場感あふれる形で、説明できるからだ。

→後編へ続く

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No.69 選手交代 02.05.31

少し前の事になってしまうのだが、大胆にも昼休みの時間に二重のオペを決行した看護婦Nが、退職した。
彼女は、私の次の古株であり、仕事も大変できる人間だったので、非常に残念な事だと思っている。また、皆さんにも、彼女の自然な二重ラインを、もうお見せできなくなってしまったのが、重ね重ね残念である。
まあ、彼女自身は、けんかをした訳でも、トラクリがいやになって辞めた訳でもないので、プライベートのお付き合いは続くのだが。

さて、そこで、トラクリ4人目(現在の実質は3人)の看護婦の登場である。その名は、看護婦K。彼女は、つい最近まで、トラクリの近所のとても大きな病院にお勤めであったが、「スキンケアに興味がある」という事で、難関!?(看護婦募集時には、結構な応募者が集まる)を乗り越えてやってきた。しかし、元々、この近所に勤めていたので、今までと、通勤経路は全く変わっていないらしい。

そろそろ、Kがやって来てから、約1ヶ月が過ぎた。だいぶ、彼女の「ひととなり」も、解ってきたので、この辺りで、ご紹介しておくことにしよう。
まず、見た目だが、彼女の目は大きい。とにかく大きい。彼女は、スイミングをやっているのだが、小さいゴーグルだと、目が納まりきらないことがあるらしい(本人談)。鼻も高く、目も大きく、私から見ると、なんとなく「インド人系」な感じがするのだが、本人はそう言われるのは、あまりうれしくも無いようだ。身長は、普通よりやや小さめ、といったところだが、トラクリでは、格段に小さく感じられる。かわいそうな事だ。

また、得意技は「お菓子作り」で、彼女のお姉さんは、ロンドンの有名なホテルのパティシェ(「お菓子職人」と訳せばいいのだろうか)をしていたそうで、非常にお菓子に詳しい。
時々、ホール(ケーキ型の丸のまま)で、プリンを焼いてきてくれたりする。これが、また、普通のプリンより苦めで、なんとも言えず美味しく、Kが入ってきてからというもの、非常に充実したデザートタイムを送っている。しかし、調子に乗って食べ過ぎている(普段、私はほとんど甘いものを食べない)自分の明日を考えると、恐ろしいのも事実である。
仕事以外にも、多彩な顔を持った彼女だが、特に食べ物については、一過言持っているようだ。(よく、「タイヤキなら、麻布十番のどこそこが一番」など、言っている)
脱毛などの際、Kにあたったら、是非いろいろ話してみて欲しい。面白く、おいしい話が聞けること請け合いである。

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No.68 トラブルケース その4 02.05.23

さて、今まで、手術における情報収集の必要性について、くどくどとお話してきたが、「情報」については、もう一つ大事な事がある。それは「情報が偏っていないか・間違っていないか」という事である。
これは、本当によく患者さんから聞く話なのだが、「同じ手術のカウンセリングを受けてみたら、別の病院では全く違うことを言われた」というケースは、本当に良くある話だ。

Drによって、同じ症例でも、違う切り口から治療法を考えるという事は、珍しい事ではないので、一つの病院の話で納得ができなかったら、別の病院に行って、話を聞いてみるというのも、有効な手段である。
これを「セカンドオピニオン」と呼ぶ。要は、一人の人の意見では情報が偏ってしまう事があるので、いくつかの意見を聞いた上で、判断した方が、間違いが少なくなる、という事である。現在の医療は、患者が選ぶ時代なのである。
ただ、これには欠点があって、慎重になるあまり、たくさんの病院に行って、話を聞いてしまうと、違う事をたくさん言われて、余計に訳がわからなくなる、という場合があるので、ご注意いただきたい。
一般の病院でも、Drによって見方が違うというのは、良くある事で、特に美容の場合は、他の病院では、全く違うことを言われる可能性も、無いとは言えないのだ。

今まで、病院とのかかわり方や、情報の集め方などについて、いろいろお話してきたが、最後は、「手術にあたって、あなたの望むものは何か」という事について、お話していきたい。

特に顔の手術の場合は、デザイン性や、好みが問題になってくる。それらは、言葉で簡単に相手(Dr)に伝わるものではない。
例えば、二重で話をすると、漠然と「目をパッチリしたい」と言っても、人それぞれ「パッチリ」のレベルは違うし、末広型か、平行型かでも、イメージは変わる。1ミリラインが変わっただけで、相当イメージが変わってしまう。
カウンセリングの際には、あたりまえの事だが、よりはっきりとイメージを持っていくのが良いと思う。只でさえ、デザイン性などに関しては、口頭では伝わりにくいものである。自分のイメージが伝わりやすいように、雑誌などの切抜きを持っていくのも、良い方法ではないかと思う。時々雑誌の切抜きなどを持っていらして「恥ずかしい」といって出さない方もいるようだが、これは少しも恥ずかしいことではない。
自分の望むイメージをDrにきちんと伝えるのは、顔の手術を受ける場合は、最も重要なことである。きちんと納得がゆくまで話し、理解してもらったほうが良い。

ただし、一つだけ気をつけなければならないのは、「自分の望むイメージに、必ずできるわけではない」という事である。
例えば、元々二重の人でも、二重の幅や、目頭の入り方が全く同じという人は、ほとんどいない。先程とは逆の話になってしまうが、「こういう風にしたい」と写真持ってきても、似たようなイメージにすることが難しい場合もあるし、左右全くの対称には、できない事がほとんどだ。
手術といっても、できる事とできない事があるという事を、是非知っておいて欲しい。
もちろん、無理に、近いイメージにすることは可能なのだろうが、そういった無理のかかる手術をすれば、「いかにも整形しました」という感じが出てしまうことは、否めないであろう。顔の手術の場合は、「やりすぎは禁物」なのは、皆さんご承知の通りなのだ。これも、何でもかんでも簡単に「大丈夫ですよ」と言われる場合は、要注意かもしれない。

ここまで、いろいろと書いてきたが、これが、皆さんが美容外科・皮膚科と接する時に、少しでも役に立つことを、切に祈る。

そして最後に、もう一つだけ言っておきたいのは、「医者」が「お医者様」と呼ばれた時代は、もうとっくに終わったのだという事だ。
現在は、美容に限らず、「何でも医者まかせ」「お医者様の言う通り」にするのは、とてもナンセンスな事だと思うし、「お任せいたします」なんて言ってしまって、もし、うまくいかなかったら、あなたは誰に文句を言えばいいのだろう?あなたは、きちんと医療に対しての報酬を支払うのだし、自分の受ける治療を知るべきなのである。
かと言って、医療である以上、全てが自分の望むとおりにできるわけではない。その辺が難しいところであるが、是非、カウンセリングで見極めていただきたい。

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No.67 トラブルケース その3 02.05.13

顔のイメージが変わるというのは、皆さんが考えているより、もっともっと重大な事だ。「手術をして、きれいになって、ハッピーな生活が待っている」誰でもが、必ずそうなるわけではない、と私は思う。そんな風に誰でもが、テレビ番組や雑誌の広告の様には、いかないのだ。
手術をした事で、それがほんの少しだったとしても、変わってしまった自分の顔のイメージを、なかなか埋められない場合もあるだろうし、自分の考えていたイメージとは、随分違った結果になってしまった、という事もあるだろう。やってしまってから嘆いても遅いのだ。

本当に、しつこいようだが、その場の勢いで、手術を決定してしまうという事は、非常に危険なことだ。もちろん、病院に来るまでに、相当熟慮を重ねてきた事は想像できるのだが、「一人で考える」というのは、考えも偏りがちで、まちがった方向性に向かってしまうこともあるのではないかと思う。
「顔」のような繊細な部分の手術を受けるなら、やはり、たくさんの情報を集めて、冷静に考えてみる、また、ごく近しい人の客観的意見を聞いてみるなど、多方面からの検討が必要だということを、覚えておいて欲しい。きちんと納得した上で、手術を受ければ、それだけ、トラブルも減るはずである。

さて、実際に手術・診察を受ける際に、非常に重要になることは、「きちんと判断でき得るだけの情報を得ているか」という事である。ただし、医療の現場では、情報が入手しづらいのも、事実ではある。
今更こんなことを言っても「そんな、あたりまえの事…」と、思われる方もいるだろう。ところが、私達の側から見ると、「情報が足りていないのでは?」「間違った情報で受け止めているのでは」と思われるケースは、本当に多いのだ。

いろいろなお話を聞く限り、一番多いのは「リスクを理解していない」という事なのだが、手術を受けるにあたっては、これが最も重要な情報ではないだろうか?
手術の方法など、具体的な説明を受けるのはあたりまえだが(世の中には、これさえもしないDrがいるという、恐るべき噂も聞くのだが)、その中で、「どういったトラブルが起こりうるのか」は、手術を受ける際の判断材料として、必要だ。もちろん、顔のデザインに関する事は(例えば、二重の幅など)、十分に話し合われなければならない。

例えば、よく、雑誌の広告などで「腫れない二重手術」などの謳い文句を見かけるが、ちょっと美容医療を知っている人間なら、そんな事がありえない事であるのは、わかりきっていることだ。
実際、他院で二重の埋没法の手術を受けて、1ヶ月と経たない内に「腫れが引かない」のを心配して(厳密には、手術後の「腫れ」が取れるのには1ヶ月はかかる)、来院されるケースなども、稀にあるのだが、よその病院では、そんなあたりまえの事さえ説明しない所もあるのか、と驚いた記憶がある。

もし、あなたが、手術のカウンセリングを受けた際、手術方法やリスクなど、きちんと説明してくれないDrにあたってしまったら、そんな所で、絶対手術しないほうが良い。もし、手術がうまくいかなかった場合、きっと、その後の処置も、おざなりにするであろう事は目に見えているし、最終的に「損」をするのは、あなたなのだ。

また、インターネットなどを使って、実際に手術を受けた人の声を聞くというのも、一つの手ではある。雑誌なども、時には有効な情報源になり得る。
ただし、これらは、絶対に鵜呑みにしないでいただきたい。私が見ている限り、とんでもなく間違った解釈が、載っている事も、たまにある。

きちんとした情報を手に入れなければ、きちんとした判断もできない。カウンセリングの際には、どんどん質問するべきだし、質問に的確に答えてくれない様なDrなら、疑ってかかるぐらいのほうが良いのかもしれない。

→その4 へ続く

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No.66 トラブルケース その2 02.05.01

では、実際に美容系病院で治療を受けるにあたって、どんなことに注意していったら良いのか、考えていきたいと思うのだが、その前に述べておかなければならない事がある。

それは、現在の美容治療では、やはり、治療をする側にも、相当大きな問題があるという事だ。いくつかの病院の、誇大広告や、拝金主義的なやり方は、少なからず実情を知った上で見ている私達からすると、恥ずかしくなってしまうような事も多々ある。しかし、そういった病院の多くが、大体的に広告をしていて、知名度が高いというのも事実なのだ。(すべてがこの限りではないが)

そしてさらに言えるのは、現在の美容医療の実情は、残念ながら、そう簡単には変わらないであろうと、という事である。
本当に残念なことだが、状況が変わらない今、美容医療を受けるにあたって、「自分の身は自分で守らねばならない」というのが実情だ。だからこそ、今回、この複雑で、多くの問題を内包したテーマを、書く事に踏みきったのである。

私の、決して長いとは言えない、美容医療での経験の中で、医療者の立場として、また一人の女性として感じている事、考えた事を書いていきたい。
ただし、私がこれから述べていく事も、「鵜呑み」にはしないでいただきたい。これもまた、一つの情報でしかない、ということを認識して欲しい。

さて、本当に前置きが長くなってしまったが、本題に入ることにしよう。

まず、いろいろな話を患者さんから聞き、美容医療を受ける上で、最も良くないと、私が考えている行為は、「初診での来院当日に手術を受けること」である。ヒアルロン酸注入などは、例外だと思うのだが、「当日手術」には、本当に「ろくなことが無い」と思っている。

大抵の場合(特に顔の手術)、患者さんは、みな、相当悩んで悩んで、考え抜いた挙句、美容外科に来院することが多いだろう。まだまだ、「美容外科」というのは、みなさんにとって、敷居の高いところなのだ。美容外科に実際に足を運ぶというのは、やはり、相当の勇気と決心がいるし、「よし手術をしよう!」と、ある程度、決断してから足を運ぶというのが、ほとんどだと思う。
そして、決断した状態で、来院すれば、やはり「せっかく決心してきたのだから、いっそ、早く手術してしまいたい」と考えるのが、人心であろう。
トラクリでも、当日オペを希望する方は、かなりいる。しかし、トラクリでは、当日のオペをするという事は滅多にない。必ず、一度帰っていただいて、家でじっくり考えてから、手術予約を取って貰うようになっている。

ところが、実際には、他の患者さんの他院での体験を聞いたり、インターネットなどで調べたりしてみると、当日オペをしている人は、相当数いるようなのだ。
しかし、その様な「はじめて行った病院で、当日手術を受ける」と言った状態で、本当に納得のいく結果が得られるだろうか?ほんの10分か15分くらいしか話をしていないDrに、ましてや顔の手術を、あなたはまかせられるのだろうか?
稀には、納得のいく結果が得られて、うまく行くこともあるだろう。でも、私には、そちらの方が、珍しい事の様に思われるのだ。

もちろん、当日にオペを勧める側が一番良くないと思う。でも、だからこそ、来院する勇気を持っているなら、思いとどまって、あなたの為に、もう一度深く考えてみる思慮を持って欲しいと思うのである。
先生がよく言われることなのだが「手術は簡単なものではない」、私も、正にそのとおりだと思う。
そして、私は「手術はしない方が良い」と言っているのではない。「慎重になろう」と、言っているのである。後悔するのは、あなたでしかないのだから。

その3へ 続く

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No. 65 トラブルケース  その1 02.04.12

最近、我がトラクリでは、他院で何らかの治療をしてトラブルとなったケースの患者さんの相談が多い。
よく解らないで、Drに任せてしまい、かなり高額の治療をしてしまったケースや、局所麻酔でするべき手術を全身麻酔でされてしまったケース、単純に自分の思い描いていたイメージと、仕上がりが違う(これは実は大きな問題なのだが)など、いろいろなトラブルがある。この他にもいろいろなお話を聞くが、これらの「トラブル」というのは、当の本人にとっては、本当に深刻な問題であろう。

しかも、これは極々一部であり、私達の知らないところで、もっともっと数多くの「トラブルケース」が存在していると考えられる。
そして、残念な事に、こういった何らかの「トラブル」を起こしてしまった場合、その経緯についてお話を聞く事はできても、それに対して、何らかの治療をすることができるのは、稀なのである。
つまり、「顔」に何らかの治療をする場合(特に手術)、「やり直しがきかない」場合や、半年、一年といった長い経過で、治療の手を加えず、見ていかないとならないことが多いのだ。

私が見てきた中で、トラクリでは、手術や治療において、こういった「トラブル」は、少ない、と言っていい。しかし、実際には、世の中には多くの「トラブル」が存在しているのだ。何故だろうか?そして、これはどうすれば防げるのだろうか?
そこで今回は、手術や治療をしていく上で、後悔しない選び方を考えていきたいと思う。次回から、「トラブル」を起こさない治療について、考えていく。
今回の話は、本当に、是非皆さんの参考にしていただきたいと、思うのである。

その2 へ続く

(院長注:当院でもトラブルはあります。特に手術はある一定の確率でトラブルが起こります。小さな処置でも御本人の希望との不合致などはよくあるものです。どんな治療でもリスクはあります。)

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No.64 あなたは気づかない 02.04.04

あなたは、背ばっかり大きくて、ちっとも「おんなごころ」を解さない男だ。私が喜ぶようなことは何一つしてくれない。

例えば、
この間、私は、あなたとはじめて会った時に穿いていたあのスカートを、
何気ない風を装ってせっかく穿いていたのに、
あなたはちっとも気づかなかった。

いつもとは違う赤い口紅にも一向に気づく気配はなかったし、

春らしい色のマニキュアを付けてたって、何も言ってくれない。

私がいつもより少し不機嫌なことにも、気づかない。

そういえば、
私があんなに長かった髪を切った時だって、あなたは何も言ってくれなかった。
あなたは本当に、いつも気づかない。

そしてそれでも、
私は鏡に向かってしまう。
もちろん、あなたの為ではない。

でも、ただ一度だけ、
髪を切った翌日に、「また髪切ったの?」と、あなたは言った。

そして、私は、
また今日も鏡に向かう。
念のため言っておこう。もちろん、あなたの為なんかではない。

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No.63 コンビニコスメ 02.03.20

昔、「うれしはずかし朝帰り」という歌があったが、私の若かりし頃は「彼とお泊り♪」なんていう時は、下準備がいろいろ大変だったものである。(「アリバイ工作」という意味ではない。いや、それもあるが。)
基礎化粧品を小分けにして、持っていったり、メーク用品を用意したりと、手間をかけても、何か忘れてきてしまうと、早々に、ドラッグストア(その頃は薬局だったか?)も閉まっていたりして、非常に難儀したものだ。

しかし、今は「本当に便利になったなあ」とつくづくと思う。
まず、ドラッグストアがかなり遅い時間まで開いている。これだけでも、「便利になったなあ」と、思うのだが、なんと言っても、「便利になった」と実感するのは、コンビニで、基礎化粧品から、メークアップ用品まで買えるようになった事である。コンビニなら、大抵何処にでもあるし、24時間開いているので、いつでも買える。急なお泊りでもOKだ!!(笑)

しかも、特筆すべきは、置かれている製品の品質が、決して悪くない、いや、モノによっては、かなりいい仕事をする物もある、という事だ。
例えば、言わずと知れた「DHC」。これは、使った事のある方も多いと思うのだが、コンビニでは「お試しミニセット」なるものがあって、これは、1泊位なら、十分すぎる量である。(3泊4日位でも大丈夫だ)また、「DHC」は、サンプルが置いてあることも多く、これを2回分貰えば、1泊なら十分であったりもする。
もう一つ、コンビニの基礎化粧品で良いのは、「化粧惑星」だろうか。これは、「TVCMは見た事があるけど、使ったことは無い」という人が多いのだが、CMがふざけている割には、物は良い。クレンジングも「ミルクウォーター」という化粧水も、なかなかに良い。これも以前は、1回分のサンプルを置いていたので、重宝していたのだが、現在もあるのだろうか?もちろん、「お試しミニセット」も販売されている。
また、メークアップ用品なら、「化粧惑星」か「パラドゥ」辺りが使いやすい。アイカラーなどもかわいいし、マスカラも結構良かったりする。一度、機会があればお試しあれ。

コンビニコスメの魅力は何かと問われれば、やはり手軽さであろう。安い値段の割には、バラエティーに富んだ品揃えで、一通りのものが揃えられる。そして、困った時にはいつでも買える。「お泊り」に限らず、1泊2日の旅行などで、地方に行った時でも、コンビニがあれば必ず買える。便利なものである。
また、値段が安いので、ちょっと試してみるつもりなら、十分楽しめる。案外、思わぬところで、掘り出し物を見つけたりする事もある。(もちろん、その分はずれもある)
実際、1年程前、1泊2日の旅行に行った時に、私は、基礎化粧品からメークアップ用品まで、全てを忘れてくるという愚行を犯して、現地のコンビニで、基礎化粧品からマスカラまで、買い揃えたという経験がある。
当たり外れがあるので、買った物全てが良かったわけではないが、新しい化粧品を使うのは楽しい事であり、発見もできて、逆に「たまには、こういうのも悪くないな」と思った。
こんな時に限らず、これからも、たまにはコンビニコスメを楽しんでみたいと思っている。また、意外な発見ができるかもしれない。

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No.62 でも、できない!! 02.03.15

美容皮膚科で働き始めてから、つくづくと実感されられている事がある。それは、「治療の根源になるのは、日々のスキンケアである」という事だ。
最近の皮膚に対する研究では、「老化の原因の主たるものは、紫外線と乾燥である」という事が解ってきたそうだ。以前、日記の中で「いくら治療をしても、家でのケアがおろそかだと、元に戻ってしまうことがある」というお話をした事があるが、覚えておられるだろうか?
実際、治療の経過を見ていくと、スキンケアを正しい方法に変えたことで、治療効果が上がるという事も、稀ではない。

そして、スキンケアに対して、自分自身「本当にまじめに取り組もう」と、思えば思うほど、やらなくてはならない事は、数えきれない程、たくさんある。
「紫外線にあたらないように」や、「どんな化粧品を選ぶか」などは、あたりまえだが、「洗顔の仕方」や、「化粧品をどのようにつけるか」など、気をつけだしたら、それこそ、使用するコットンの材質にまで、神経を配らなくてはならない。もう、本当に、きりの無い話だ。

しかし、どうしてもケアできない時がある。いや、「できない」と言うと、聞こえが良いのだが、「面倒くさくて、やる気になれない」時があるのだ。いつも、えらそうな事を言っている割には、面目ない事なのだが、皆さんにも、思い当たるふしはないだろうか?
例えば、あまりにも仕事が忙しくて、家に帰ってから、何もやる気が起きない時。シートパックをするのなんて、ほんの5分ほどの手間なのに、それができない。わかってる、わかってるのだ。私なんて、他の人の50倍ぐらいは、それが身にしみている立場なのだ。でも、できない。
また、私は、お酒が好きなので、酔っ払って、化粧を落とさずに寝てしまうこともある。サイアクだ。朝、真っ黒になった目の下を見てから反省したって、遅いんである。美容皮膚科の看護婦として、あるまじき行為である。自己嫌悪に陥る。でも、できないのだ。
手数が多いケアも、面倒くさくて、すぐにできなくなる。1週間ぐらいで飽きてしまう。はじめは、もう使いたくて使いたくて、夜になるのが待ち遠しいのに、自分の「飽きっぽさ」と「根気のなさ」には、我ながら、ほとほと呆れる。
タバコだって、お酒だって、肌に悪いことは、よくよく承知しているのだ。それでも、私にはやめられない。服用するビタミン剤の量を増やしてまでも、やめらない。

日々のスキンケアの中で、これは重要視するけど、これは少しぐらいはずしても良い、というものは無い。どれもこれも、こつこつと、地道に続けて、初めて効果を得られるものばかりだ。

そんなことは、分かりきっている。それでも、私には、全部はできない。かといって、「きれいになること」を、あきらめることもできない。かなり矛盾しているのだが…。
そしてそれでも、私は、「できない」と言いながら、やり続けるだろう。何故なら、私は女性であるからだ。きっとこれからも、時々「あーーー」と、後悔の念を発しながら、続けていくに違いない。たぶん、一生成長はできない気がする。

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No.61 オオタ「レディースプラン」デビューする。その3 02.03.06

さて、一通り騒いだ後は、ホテル内のジャグジー&サウナへ入り(これは、何となくジャングル大浴場という「のり」だった)、部屋に戻って、またジャグジーに入った。

そして、ここでまた重要になるのが、「お互いを熟知した無二の友人と」という事だ。何故かというと、「ホテルの部屋遊び」では、「いかに気兼ねしないか」ということが最も重要になるからだ。
私たちは、お酒やアイスクリームを買い込み、後は、のんびりして寝るだけという状況を作ると、さっそくパンツ一枚になり(普通、30歳を迎える女のすることではないが)、部屋をうろうろしたり、浴室のドアを開けっ放しでジャグジーに入ってみたり、挙句の果てには、お互いのジャグジー入浴シーンを写真に撮ってみたりした。(すみません。ほんとに浮かれていました)
しかも、「おまけ」で付いていた、ブルガリのシャンプーやボディシャンプーをたっぷり使っていて、お互いが動く度に、よい匂いがする。家にいたのでは、絶対にありえない、この優雅なる「非現実感」。これが、本当に楽しかったのだ。
この日は、そんな風にして、お酒を飲んだり、語り合ったりして、夜が更けていった。

さて、翌日。朝早く起きた二人は、「ルームサービスで朝食」を取ってみた。これも、なんとなく映画などでは見た事のある、女性なら「一度はやってみたい事!」の一つであろう。
私たちもしっかり、ブルガリのバスローブを着込み、女性スタッフさんがワゴンで運んでくれる(この辺が、非常にさくらタワーのゆき届いた所である)、「アメリカン・ブレックファースト」なるものを食した。もちろん「わー映画みたいー」と言う事も、忘れなかった。とにかく全てが「非現実的」なのである。

そして、メインイベント、「タラソテラピー」の登場である。私は、今回始めてこの「タラソテラピー」なるものに挑戦した。
ドロドロの泥状の海草を、またもや(!)パンツ一枚になって、体中に塗られ、ヒートマットという、かなり高温になるビニールでできた毛布のようなものに包まれる、という施術なのだが、これが非常に気持ちよく、また、すごい量の汗をかく。
海草でできたものを塗られているので、とても懐かしい様な、よい匂いがして、部屋の中には、ごくごく細く、鳥の声と小川のせせらぎの音が流れている。
「ああ、私って、なんて贅沢してるのかしら!!!」と思わずにはいられない瞬間である。案外、裸というのも、それほど恥ずかしくはなく、気持ち良いものであった。

エステが終わると、お昼前の時間になっていた。しかし、ここがレディースプランの良いところで、お部屋のチェックアウトは、午後3時である。(ちなみにチェックインは前日午後3時。つまり24時間ステイである!)
エステのスタッフの方に、お聞きしたところ、大抵のお客さんが、午前中にエステをして、その後、チェックアウトの時間まで、のんびり部屋でお昼寝などして、帰るそうだ。
もちろん、私たちも、例に漏れず、チェックアウト近くの時間まで、お部屋でお茶など飲みながら、だらだら、ごろごろとしていた。

本当に長々と書いてきたが、これが、私たちの辿った全行程である。すでに、これでもかという位、細かく内容を書いてきているので、再び、くどくどとは述べないが、本当に良い旅であった。きっと、このプランを考え出したのは、30代の女性であろうと思う。でなければ、こんなに「痒いところに手が届く」様なサービスは、ありえないと思う。
しかも、こんな「夢のような世界」が、家から、1時間弱も行けば、味わえるのである。交通費などを考えると、近場の温泉に1泊で出かけるのと、金額的な大差はない。行き帰りが楽だ、という事も、魅力の一つであろう。
とにかく、是非一度、この「非現実感」「お姫様気分」を味わってみて欲しいと思う。

ところで、「夢の世界」から、「現実」へ帰り着いてみると、家では夫が、レディースプランのパンフレットを読んでいた。彼は「いいよなあ、女の子は。こんなにあれこれ楽しめるんだから…」と、言っていた。まさに、その通り。これは、大人の女性の「ひそかなお楽しみ」なのである。

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No.60 オオタ、「レディースプラン」デビューする。その2 02.02.28

さて、ではいよいよ、中身の部分に突入しよう。まずは、ディナー。
こういった旅は、できれば、お食事にも凝ってみたいものだ。と、言う訳で今回は、「フレンチ」を選択してみた。「フレンチ」と言っても、いろいろある訳で、フルコースは、やはり高いし、食べきれない可能性もあるので、リーズナブルなミニコースにした。浜松町のフレンチレストランに行ったのだが(インターネットで探して行った)、たいへん美味しかった。これから「ホテルにお泊り」という時には、多少豪勢なお食事の方が、気分が盛り上がるようだ。私たちの気分も、大いに盛り上がった。

そして、いよいよ「さくらタワー」入りである。ここは、品川駅から、徒歩3分ほどの所にある。交通量の多い道路から、ほんの少し入った所にあるのだが、かなり静かな雰囲気だ。
チェックインの旨伝えると、ボーイさんが、にこやかに、ロビーのふかふかのソファーに案内してくれた。「おお、ここでチェックインの手続きをするのか!なんか、かっこいいぞ!」と、こんな事でも感度を覚える。しかも、無料でジュースまで出してくれるのか!なんていいヤツなんだ、さくらタワー!(このウェルカムドリンク(?)も費用に含まれているはずであるのだが)
そして、手続きとともに、いろいろなチケットが配られる。朝食券(ルームサービス可)、ジャグジー券(何度でも入れる)、ワイン券、エステ券(あらかじめ好きなコースが選べる)、お買い物割引券や、カラオケ半額券まであるぞ。なんだか、いろいろ楽しめるらしいし、チケットがたくさんあって、得した気分にもなれる(多分、すごい得をしているわけではない)。

部屋までの案内も、さっきのボーイさんがしてくれた。廊下のじゅうたんは、ふかふか、天井のライトは自動消灯で、思わず「おおっ」と声を上げそうになったが、いかにも「こんな所には行き慣れていない」と、バカにされては困るので、ぐっと我慢した。
しかし、お部屋に入ってみると、我慢できず、やっぱり声を上げてしまった、初体験二人組…。
調度品がシックで落ち着いており、お部屋もなかなかに広いのだ!そして、ボーイのお兄さんと記念写真を撮った。多分私達は、彼から相当「小ばか」にされていたことであろう。

でも、あまりこの様な、きちんとしたホテルに泊まった経験の無い私達は、驚かずにはいられなかったのだ。まず、部屋が広い。落ち着いた色合いが、センスを感じさせる。シャワールームがガラス張りだ。部屋風呂に、ジャグジーまで付いている。すごいっ、すごいぞ、さくらタワー!!
私達は、興奮の呈で、部屋を探索しまくった。やたら、「うわああ」とか「うおおお」とか、言っていたように思う。
そして、今回のプランの目玉の一つ(と、書いてあったと思うのだが)、ブルガリバスローブ&アメニティグッズを、引っ張り出してきて、また感動し、並べて写真を撮った。本当に、初体験丸出しの二人である。
→その3へ続く

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No.59 オオタ、「レディースプラン」デビューする。その1 02.02.25

先週末、高輪プリンス「さくらタワー」に宿泊してきた。
「リラックスFORレディース」というレディースプランである。前から、一度は行ってみたい、行ってみたいと思っていた「ホテルのレディースプラン」。あなたは、行った事がありますか?
やっぱり、お値段もお高めだし、私は、「都内のホテルに泊まって何万円」というのに、とても今までは、お金を出す気にはなれなかった。
しかーし!今回、思い切って、この旅に出てみて、本当に良かったと思っている。30歳を目前に控え、「新しい世界を見た」という気さえしているのだ。

そこで今回は、この「レディースプラン」初体験記を書いていきたい。まだ興奮冷め遣らぬ今回。口調も(文調も?)相当、興奮気味である。どうか、ご了承いただきたい。

さて、今から1ヶ月ほど前、今回のこのプランの予約が無事に取れ(この手のプランは、なかなか予約が取りにくいものであるらしい。人気商品なのだ!)、ある患者さんと話をしていた。
その患者さんは、自称「レディースプランには、かなり行きまくっている」そうで、「レディースプランの醍醐味は、なんと言っても、その非日常感、非現実感である」と教えていただいた。そして、いろいろ行った中でも、「さくらタワー」は、かなりレベルの高いホテルであったそうだ。
そんな話を聞いてしまっては、私の想像と興奮は、どんどん膨らむ一方で、インターネットから「高輪プリンス さくらタワー」のページを覗いては、にやにやする毎日であった。

ところで、こういった「旅行」というのは、「誰と行くか?」というのも、重要なポイントになると思う。私の場合は、高校以来「くされ縁」とも言うべき長きに渡り友人関係を続けているYと、出かけた。
こういう旅は、「もう、あんたの事じゃ、知らない事はなんにも無いわよ」ぐらいの友人か、母親と行くのが、良いような気がする。とにかく、「気を使わなくて良い」というのが、重要ポイントだ。前述した患者さんも、よくお嬢さんと出かけると、おっしゃっていた。違う環境で、のんびり話が出来るので、とても良いそうだ。

いつもの癖で、いろいろと能書をたれてしまったが、いいかげん本編に入ることにしよう。
今回の旅は、土曜日から日曜日にかけて、次のようなスケジュールで行われた。名付けて「女、三十、揉まれ旅!!」
「ゆっくりお昼頃待ち合わせ→台場へ移動、ビーナスフォートでお買い物→品川までの途中でフレンチディナー→夜、ホテルへチェックイン→ジャグジーやワインを楽しむ→朝はルームサービスで優雅に朝食→ジャグジーやエステを満喫→部屋でのんびりしてチェックアウト」
どうです?簡単に書いたのですが、この字面を見ただけでも、なかなかそそられるでしょう?もう!書きたい事は、山ほどあるのですが、残念ながらページ切れ。次回、詳しい内容を書いていきます。こうご期待!!
→後編へ続く

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No. 58 出てくる頃には…  02.02.14

私は時々、友人と「化粧品探検」をする。まあ、要は化粧品のサンプルを、試しまくるだけなのだが、これが、結構面白い。

場所は、デパートの化粧品売り場だったり、セフォラのような大型店だったり、マツキヨや、ソニプラの様なドラッグストアであったり、いろいろである。
一人で化粧品を見に行くと、なんとなく気弱になってしまい、デパートなどの美容部員さんに勧められると、別段欲しかったわけでもない化粧品を買ってしまったりすることもあるのだが、二人だと、そんなことも少なく、「見て楽しむ」には、ちょうど良いようだ。

さて、私が「化粧品探検」をする時には、必ず守ることがある。一つは、両手を使いやすいバッグ(リュックなど)で行くこと。もう一つは、メークを最小限、極力薄くしていくことである。
一つ目も二つ目も、行った先で、簡単に、存分にメークを楽しむ為の方法なのだが、特に二つ目は重要である。

で、なるべく薄いメークで売り場に行き、少しずつ「顔」を作って楽しむ。出来る時には、ほとんどノーメークで行って、店員さんに「顔」を作ってもらうこともある。人にメークをしてもらうのと、自分でするのとでは、全く違う新鮮さがあって楽しい。
できれば、一つのブランドにこだわりがない(沢山のブランドが入っている)、セフォラなどでやってもらうと、あれこれ勧められず、面倒がなくて良いようだ。もちろん、美容部員さんの「トーク」に負けない自信があれば、デパートでも楽しめるのだが。

美容部員さんにメークをしてもらうのは、「いろいろ買わされそうで心配」と思っている方も多いと思うのだが、割合とそんなこともない。むしろ、思いもかけない化粧品との出会いがあったり、なんとなく使わずギライだった化粧品の良さを知ったりと、プラスに働くことも多い。
また、特にデパートでしてもらう時は、必ずサンプルはもらう様にしている。とにかく、何でもいいからもらえそうな物は「ください」と言ってみる。
まだ、試したことのない方は、是非やってみて欲しい。意外な発見があるかもしれない。

ところである日、いつもの様に、友人と、化粧品を見に行った。もちろん、その日は、極力メークを薄くし、私の命であるマスカラも付けず(私にとって、マスカラをつけていないということは、スッピンと等しい感覚である)、カールだけはしっかりと作って出かけた。
少しずつ、いろいろなアイカラーや、チークなどを足しては取り、足しては取りしながら、顔を作っていく。今まで、気になっていたけれど、まだ一度も試したことのないアイライナーなんかも試してみる。おしまいには、マスカラをつける。とりあえず、最低でも3種類くらいは重ね付けしてみる。
そして、お店を出てくる頃には、すっかり別人になっているのだった。どう見ても、夜のお仕事のお姉さん張りの化粧の濃さだ。一緒に遊んでいた友人にも、「マスカラ付けすぎだよ。それじゃ、目張りか、つけマツゲみたい」と言われてしまった。
その後、そんな顔のまま、遊びに出かけた。新しい色の顔で遊びに行く。そんな事もまた、楽しさの一つなのである。

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No.57 この仕事の醍醐味とは何か? 02.02.06

先日、トラクリ開院まもなくから、通って来ていらっしゃる患者さんが、久々に来院された。
その方は、「ケミカルピーリング→医療クリーム」という、「トラクリ『王道』治療」を続けており、今回は、その後のケミカルピーリングでの来院だった。(ケミカルピーリングは、1クール終了後も、時々「メンテナンス」という感じで2〜3ヶ月に1回続けると良い)そして私は、大いに驚いたのだった。

何にそんなに驚いたかというと、その患者さんが、とてもスマートになっていたからだ。元々、別段太っているというイメージもなかったが、それにしても、体がすごく引き締まっている!髪も少し短めにして、とても活動的なイメージになっていた。

あまりに雰囲気が変わっていたので、「お痩せになりましたねえ」と聞いてみたところ、ダイエットを敢行したのだそうだ。しかも、食事を少し減らして、きちんとジムに通うという、正しい方法で…。どうりで、全体的にスマートになったのに、顔にはしわっぽい感じがない訳である。本人も、その辺りには十分注意して、ダイエットをされたそうだ。

いろいろお話を聞いたのだが、ダイエットをするきっかけになったのは、「ケミカルピーリングで肌がきれいになった事」だそうだ。「これだけ肌がきれいになったのだから、ダイエットもがんばれるのじゃないか?」と考えたらしい。

私は、このお話を聞いて、本当にうれしくてしょうがなかった。
肌の調子が良くなったことで、ダイエットをしてみようと決意する。そして実際にスマートになり、以前に比べると、全体的な雰囲気までもが、自信が感じられ、とてもポジティブな感じになっている。
少し大げさな言い方かもしれないが、これこそ、私が願う美容皮膚科の本来の形であり、こんな話を聞けるのが、この仕事の醍醐味なのである。

美容皮膚科というのは、本来、こういう風に「前向きになった」り、「今までよりもっと自分を好きになる」足がかりとして、存在すべきものであると、私は思っている。
ファッションであったり、メークであったり、はっきり言って、きっかけは何だっていいのだが、それが、私達が働く美容皮膚科であったなら、なおうれしい。
だから、通ってきている患者さん方には、「がんばって欲しい」と、いつも思うし、少しでも「私たちの知識が役に立ってくれればいいな」と思う。

なんだか普段に比べて、格好をつけた文章になってしまったのが、少し恥ずかしいのだが、私たちは、いつもそんな風に思っている。沢山の人々が、「自分をもっと好きになる」きっかけを得てくれたらいいなと、切に願う。そんな出来事であった。

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No.56 MASK!! 02.01.31

ここ何日か、だいぶ乾燥した日が続いている。こんな寒さが身にしみるこの季節、私のスキンケアで、最も欠かせないのが、「シートパック」である。
「シートパック」については、以前もこの日記の中で、述べたことがあるので、ご記憶の方も多いことだろう。紙状になっていて、化粧水を振り掛ける、あれである。乾燥の強くなるこの季節は、特に「保湿」に留意しているのだが、なんと言っても、シートパックなしに私の保湿ケアは語れない。まだ、試したことのない方は、ぜひやってみて欲しい。2週間ぐらい、毎晩続けると、見違えるほど化粧のりが良くなる人もいる。

ところで、シートパックについては、時々患者さんから、使用方法について、質問のメールをいただく。基本的には、たっぷりと化粧水を浸したシートを5〜10分付けるだけで良いのだが(付けすぎは禁物)、肌がかなり痛んでいたり、アトピーの方は、シートを肌に接触させておくことで、かぶれることがあるので、ご注意願いたい。

さて、私がこの習慣を始めたのは、もう、かれこれ3年以上は前のことになる。
結婚前にまだ、実家にいた頃、初めてこのシートパックをした時には、両親にはかなり驚かれ、飼い犬も気味悪がって、パックをしている時の私には近づいて来ないという始末であった。
その後も、めげずにやり続けていたら、慣れてしまった様だが、結婚後、初めて夫にそのパック姿を見せた時の反応は、もっとひどかった。
私が、シートパックをつけて、ぼーっと座っていると、「うっ」と言って絶句し、その後、「犬神家の一族の『すけきよ』みたい…」(注;金田一耕介シリーズの名作、非常に古いネタですみません。シートパックをしたことがある方ならわかるはずなのですが)と、のたまった。まあ、男兄弟しかいない彼には、相当「衝撃的な画」であったのだろう。そんな彼も、今ではすっかり、私の『すけきよ』顔にも慣れてしまったようだが。

ところが、私とは全く正反対の話を、ケミカルピーリングをしていた患者さんから、聞いたことがある。
その患者さんの家庭では、お母さんである、その方がいろいろな色のパックをしていると、子供が大喜びする、というのである。私がお勧めしたシートパックは、色が「白」なので、いまいち不評であったらしい。
そんな話をしながら、ピーリングをしていると、その患者さんはケミカルピーリングの最後にする、パック(使用済み)を我が子の為に持ってかえってみようかな、と言っていた。

ご存知の方には、よーくわかる話だと思うのだが、ケミカルピーリング後のトリートメントに、トラクリで使っているパックというのは、恐ろしいほど「スライム」に似ている(緑色の、どろーっとした、バケツに入ったおもちゃです)
そのどろーっとした状態のモノを顔に付け、10分ほど経つと、見事な「顔型」が出来上がる。これが、また、見事なまでに、キモチワルイ、緑色の「デスマスク」といった様相なのである。言葉で説明すると、ややわかりづらいが、映画「MASK」の、あのマスクに似ているといえば、わかって頂けるだろうか?

そんなもの、持って帰っても、お子さんに気持ち悪がられるだけだろうと、思ったのだが、案の定、出来上がったマスクを見た患者さんは、大爆笑して、「気持ちわるーい!やっぱりやめます」と言っていた。

ごくごく、たまーになのだが、それでも、その不気味な「使用後マスク」を、持って帰りたがる人がいる。何とか説得して、やめていただくのだが、彼女達が、それを何に使おうと思ったのかは、いまだもって不明である。家で飾っておくのだろうか??

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No.55 「いい女」の条件(後編) 02.01.24

さて、一つ目の条件から、私の突っ走った考えを披露したが、その他には、どんなことが考えられるだろう?次は、精神的な面から、再び突っ走ってみよう。

私の知る限り、「いい女」というのは、「人の目を気にしない」というか、「他人からの評価で、己の価値観を左右されない」ような気がする。これが、私の考える第二の条件だ。
もちろん、そこに辿り着くまでには、様々な葛藤があるであろう事は、容易に想像できるのだが、だからこそ、「美」に対してもゆるぎない信念を持っているように思える。
きっと、いつでも、試行錯誤はしているのだろうが、『きれいになるための100の方法』とか『愛される5つの法則』とか(私が勝手に作った題名です。実物とは関係ありません。)、そんな感じの「How to本」は、読まないような気がする。
実際、私が「この女性って、素敵だなあ。かっこいいなあ。」と、思うのは、大抵、「己を持っている女性」である。ただし、「己を持つ」というのは、「かたくなに」という事ではない。そういう女性達は、皆、柔軟性も持ち合わせている。

そして、最後の条件である。これは、皆さんも大いに納得されるであろう。
「いい女」は、立ち居振舞いが美しい。立ち姿も、座る姿も、美しい。わざわざ語るまでもないことである。
これは、絶対条件ではあるが、一朝一夕で身に付くものではない。常に常に、常に、気をつけても、なかなか体に染み込むものではないだろう。
私が考える条件の中では、これが一番難しいのではないかと思う。私自身も、自分がどれほど優雅な動きが出来るかと考えてみると、絶望的な気持ちになる。だからこそ、やりがいもあるのだが。

私の考える「いい女の条件」というのは、以上のようなものだ。これは、あくまでも「私の考える」ものなので、これを読んで納得できない方も、沢山いるだろう。女性は、それぞれの目指す「いい女像」を持っている。あなたの中には、どんな「いい女」がありますか?

そして最後に、これらの条件はどれも、目標値が高く、達成は難しいかもしれない。でも、目標は高くあるべきだし、常に良いイメージを持ちつづけていれば、近づいていくことが出来るのではないかと思うのだ。(もちろん、思うだけではだめなのだが)意識を高く持ち、ほんの少しでも向上できれば良いと思う。
私はこれからも、「やせがまん」ができ、所作の美しい、わが道をゆく「いい女」を目指したい。

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No.54 「いい女」の条件 (前編) 02.01.18

前回の話「2002年の男運」の中で、少しだけ触れたが、私はここ数年の年間目標を「いい女になる」と、掲げている。それは、どちらかと言うと、一年間の目標というより、人生の目標なのだが、同じ目標を立てている女性は、きっと沢山いるのではないかと思う。
しかし、一言で「いい女」と言っても、目標とする「いい女像」というモノは、人それぞれ大分に違うと思うのだ。
私も、「いい女になりたい」と常日頃から言っているのだが、自分自身、「いい女の定義」というのは、いまいちはっきりしていない。そこで今回は、「いい女とは何ぞや」という事を、考えていってみたいのである(私の性格上、かなり偏りのある話になりそうだが)。

まずは、「見た目」の話からしていこう。
「いい女」に、太っている人は少ない。(早速、偏見)しかし、自分の目標とする体形を保ちつづけるというのは、非常に難しい話だ。それに、「いい女」というのは、センスのいい洋服を着て、素敵な靴を履いているイメージがある(これは、かなり偏見)これも、簡単なようだが、これを常にするとなると、非常に大変だ。
こうやって考えていくと、「いい女」というのは、常に気を張っていなくてはならないし、疲れそうだ。人間誰しも、疲れるときはあると思うのだが、ダラーンとした姿は、あまり人には見せてはならない。いつも姿勢を良くしていないといけない気がする(やっぱり偏っている)。

そこで、思いついたのが、一つ目の条件。『いい女は、やせがまんが、できなければならない』
天性のいい女というのは、やっぱり少ないと思うし、平凡な私などには、相当努力が必要になるだろう。そこで「やせがまん」なのだが、これは良く考えてみると、男性でいうところの「ダンディズム」に似ている。格好つける為なら、多少の無理もいとわない。人前では、努力の跡を見せない。みたいな。
もちろん、それが全てではないが、「いい女」になる為には、やっぱり相当の努力が必要である。格好をつけなければならない時もあるだろう。寒くても、着膨れたりせず、薄着でがんばるとか、辛くても、かかとの高い靴を履くとか。大好きなお菓子を控えるなんていうのも、必要かもしれない。
「やせがまん」は極論かもしれないが、ある程度の我慢が出来なければ、「いい女」はやっていけない気がする。

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No.53 2002年の男運 02.01.10

ここ数年、着物にとても注目している。と、言っても、それほど着る機会はないので、出来る限りお正月は、着物を着るようにしている。
別段、着物に詳しいわけでも、高価なものを持っているわけでもなく、何が良いとも、うまく言い表せないのだが、洋服の時とは違った緊張感と、着物を着ると、何故か女性らしい動作を心がける自分が、面白いのだ。

と、言う訳で、今年も着物を着て、初詣に出かけてきた。いつも、夫と友人何名かで、連れ立っていくのだが、今年は、夫を含め、参加者5名全員が、着物だったので、例年より雰囲気が盛り上がって、大変楽しかった。「5人の団体が着物」というのは、目立っていたのか、表参道付近で、外人さんに写真を撮られたりして、気分も盛り上がった。
神社に詣でたり、カフェでお茶を飲んだり、挙句の果てには、着物のまま、居酒屋に出かけ、ゲームセンターで遊んだりもして、「着物で遊ぶって、なんだか楽しいわあ」と、再確認した。機会があったら、皆さんにも是非試して欲しい遊びである。

ところで、その日、途中のカフェで、「今年の目標」という話になった。私はここ数年、「いい女になる」というのを、目標に掲げているのだが(この話は後日詳しくしたい)、日頃突っ込みのきついYは「人にやさしく」とか、ここの所、フリー状態の続いている、友人Pは「いい男を見つける」など、それぞれが目標を挙げていた。

ところが、その少し前、ある事件(と、言うほどのものでもないが)が起きていた。神社でお参りをし、お賽銭を投げ入れて、今年のお願いをしようと、5人が並んで、賽銭箱の前に立った時、それは起きた。
一人一人が「お賽銭はいくらにしよう」などと話していた時、友人Pは「今年は『ご縁』があるように、55円にしようっと」などと、のんきにお賽銭の用意をし、それじゃあ、とそれぞれが投げ入れ、目をつぶって、手を合わせていると、「うわああ、5円玉だけ、落っこちたああー」という、Pの叫びが聞こえてきたのだ。
どうも、一緒に投げ入れたはずの、50円玉と5円玉のうち、『ご縁』を願った5円玉の方だけが、賽銭箱から跳ね返って、外に落っこちてしまったらしい。私たち4人はもとより、その場にいた人たち全員が、自分の願い事どころではなく、手を合わせたまま笑ってしまい、ぷるぷるとふるえていた。私も自分の願い事は、すっかり、すっとんでしまい、笑いを抑えるのに必死であった。

そんな訳で、『今年の目標』を話していた時も、「いい男を見つける」と言った友人Pは、すぐさま「5円玉落っことしてるようじゃ、無理だよ。そんなの!」と、全員に突っ込まれていた。

その後もPは、何かというと、「5円玉落っことしてるようじゃなあー」「いい男は無理だよなあ」と、ひどい友人達に、一日中ネタにされ続け、もちろん私も「かわいそう」などとは少しも思わず、からかい続けたのであった。
こんな不親切な友人ばかりを持った、不運なPの2002年の男運が、幸多からんことを、祈るばかりである。合掌。

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