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サーマクールによる肌の引き締め・たるみ治療

NEW 3.0ファストのチップを導入しました NEW

ちょっと専門的な話も加えつつ、サーマクールに関し、現時点で私の知り得る理論と効果をお伝えします。

はじめに
サーマクール(Thermage 社製Thermacool)を用いた、高周波とそれに引き続き起こる熱作用による肌の引き締め・たるみに対する効果は、登場した際には不確かで、痛みも強いものでした。さらには、1回40〜70万円と、かなり高額治療であり、当院のポリシーに一致しないことから、サーマクール導入を控えておりました。しかし最近、治療方法の検討が進められ、高いエネルギーで一気に熱を生じさせるよりも、より弱いエネルギーで(つまりは痛みが非常に少なく)、重ねて照射することで蓄熱していくという方法が推奨されるようになりました。このためには沢山の面積を早く照射できるようなパーツの開発が必須であり、当院ではかねてよりこのパーツを待ち望んできました。これはレーザー治療の最近の傾向と全く同じであり、マルチパス、スタッキングと言われるものです。私はレーザーでこの方法を提唱している関係上、サーマクールがそれに一致したら導入しようと決めていました。そしてパーツが提供され、結果が出るようになったため、満を持してサーマクールを治療メニューに導入いたしました(何人もの形成外科専門医の知り合いに聞いてその効果を確かめました)。以前は痛いだけで効果が出ないという人も多かったようで、費用対効果のバランスが悪い治療でした。それゆえ、より高率に効果が出るようになった現在でも、高額治療とするには私自身抵抗があり、得られる効果と費用のバランスが良い設定を考え、額を除く顔全体でサーマクール1回の治療費178,500円で実施することと致しました(顔全体は21万)。専門的になりますが、ビッグファストチップ(300〜450発用)という最新チップを用いてアンカーリング、マルチパス(重ね打ち)を行う方法ではかなり安価に設定しております。もちろん安いから良いというわけではありませんが、十分納得頂ける治療費として考えて設定しました。
2005.7.8現在、導入後数ヶ月を経ましたが、殆どの方から効果があったという回答を頂いております。

そして、2006年2月より、さらに深部まで到達する新しいチップを採用しました。面積が2倍になるため、既存と比較し2倍のマルチパスということになります。沢山の熱エネルギーを与えることができるものです。3.0ファストの400発用を主に用いております。治療費は変わりません。

さて、サーマクールの原理とは何でしょうか。サーマクールという名前の通り、皮膚表面を冷却しつつ、高周波という電気による熱作用を得るものです。人の組織は部位や温度により電気を伝える抵抗値が異なります(オームの法則なんて習いましたよね)。サーマクールは、それを利用して皮膚表面は冷却し、抵抗値を少なくし、一方深部は抵抗値を下げず、電気が通りにくい状態で電気を流すと、電熱器と同じで深部に発熱=温度上昇が起こります。この温度をしっかりコントロールすることでタンパクが変性し、即時の引き締め効果となり、また再生される時にコラーゲンが大量に作られ、たるみが改善します。分かりやすく言えばステーキを鉄板で焼けば、熱でサイズが縮みます。それと同じ作用が即時変化です。また人の体は創傷治癒と言って、傷を修復する力があります。熱で縮んだコラーゲンは、その張力を保ちつつ再構築されます。もちろん出力・温度設定を間違えれば黒こげですし、傷跡が生じますので、機械にて最初に皮膚の抵抗値をはかり、個々に応じた設定値を元に電気を流すという優れものです。コラーゲンを一定の率で壊すのが重要です。壊れすぎても数年後にたるみが生じるでしょうし、最初だけ調子が良くても駄目ですから、たるみを完全に解消するというより、少しの変化と肌の引き締め(skin tighteningと言っています)が主です。その点で現在のサーマクール照射法は私自身理論的に納得できるものであり、導入を決めた決定的理由でもあります。以前の方法では変化が出にくいだけでなく、完全に破壊するという点で、将来的なコラーゲンの破壊、再構築に伴う種々の物質(エラスチンなど)の再生などに疑問がありました。現在のマルチパス法ではそのような変化は起こりにくく、将来的にも安心だろうと思います。
また、最近分かった知見では、脂肪層への熱の伝播が生じる際は、脂肪そのものを壊すのではなく、脂肪層の中の線維性成分に熱が伝わり、それを縮めるそうです。鼻ワキ(法令腺)などを引き締める効果は、それが理由のようです。以前のように脂肪が壊死に陥ったり、凹凸が生じたりという確率はかなり低いと言えるでしょう。特に現在のサーマクール照射法では、皮下の脂肪に電気が流れるのではなく、脂肪の間にある索状線維組織に流れ、それが縮むことによって即時の引き締め効果が生じることが証明されています。
なお、ガス(カーボメッド)を注入して電流をブロックし、皮下に電気を留め、効果を高めるという事が可能なのか、患者様よりお問い合わせがかなりありましたが、それはあり得ません。上記のように線維組織を通じて自由に流れていきます。そのような噂はどこで生じたのか分かりませんが、学会等などでは誰も提唱しておりません。


各種Q & A:大変高額な治療ですので、裏表なく正直にお話しします。納得の上治療をお受け下さい。

どんな症状に効くの?  実際の治療手順  治療回数は?  レーザーとサーマクールは何が違うの?

どうしてそんなに治療費が高いの?原価は?    サーマクール認定医ですか?


どんな症状に効くの?
サーマクールはたるみ治療器として世間では有名です。確かにフェイスラインが少し上がったり、法令線が浅くなるなどの変化は生じます。もちろんサーマクールの効果は手術のように劇的ではありません。でもレーザーはたるみには効きませんから、それだけでもサーマクールは大きな効果を得ることができると言えます。その他、サーマクールは、たるみにまつわる毛穴開大の改善も生じます。額や眉毛が上がり、老けた印象を改善もします。ただし、一番分かりやすいのは肌の引き締め効果です。アメリカでもサーマクールはskin tighteningとしての効果が学術的には主に謳われています。なお、当院で患者様の満足度が一番高い部位はフェイスラインです。
しわ取りのフェイスリフト手術は100万以上の費用です。サーマクールは20万程度です。効果は費用比でいうと、同等かそれ以上と思います。

実際の治療手順
まず洗顔して頂いた上で、座って頂き、お写真を取った後、どこを引き上げたいのか(法令腺、フェイスライン、まぶたなど)を見極めつつ、ペンで印を付けます。次いで仰向けに寝て頂いて、サーマクールの打ち漏れのないよう、肌の表面にマーキングシートを転写し、顔に格子模様の印を付けます。体には対極板(アースですね)を貼り、肌の抵抗値を測定、個々の状態に応じた強さ設定をしたら、いよいよサーマクール治療開始です。治療希望部位全体を照射し、次いで引き上げたい部分に沿って解剖学的構造を考えつつ照射、最後にふくらみを取りたい部分に照射(Z軸の照射)を行います。照射は冷却時間を含め、1発2秒です(ファストチップ使用時)。30分ほど照射にかかります。早いタイプですが、しっかりと実施しますので、お時間はかかります。

治療回数は?
通常1回の治療でお終いです。満足いかなかったら3〜6ヶ月後に2回目をという考えもありますが、じゃあ2回したらすごく効くのかというと、そうではないと思います。サーマクールの場合は、1回で満足したら、それで良しとして下さい。もちろん1回治療して大満足だけど、もう1回治療を受けたいという場合は3〜6ヶ月後に治療をします。コストパフォーマンスは落ちますが、もちろん複数回の方が効果は上がるのが常です。また、老化というのは止めることができません。そういった意味では半年から1年に1回続けるのが本来の考えですが、これは何でも同じです。

レーザーとサーマクールは何が違うの?
最近のレーザーも皮膚の内部に熱を与えることは同じです。ただ、深達度と言って、光の届く深さは減衰というものがありますし、深い部分ほどエネルギーが高密度のエリアは狭くなるため、限界があります。最も深くまで届くNd:YAGレーザーでも真皮の最も深い所には十分なエネルギーは入りません。一方サーマクールは皮膚の最深部に強く働きかけます。ただ、電気のように何でも熱するという事はなく、物質選択性があること、炎症機転を起こしにくく、生理的にコラーゲン産生を招くことなど、優れている部分も多くあります。生理的には線維芽細胞というコラーゲンを作る細胞が多い部位は真皮上層、つまりはレーザーが最も効果的な部分なのです。ただ、レーザーはたるみ治療としては力が弱く、目の下など皮膚の薄い部分などの効果と、小じわと肌の張りが主になります。要は機械の使い分けです。それぞれのメリットを十分に理解し、最大限希望に添うようにすることが大事です。サーマクールであらゆるたるみが解消できるわけではありません。

どうしてそんなに治療費が高いの?原価は?
サーマクールの機械の価格自体は他のレーザー機器とさほど変わりません。しかし、消耗品が非常に高額です。一人一人に取り替えなくてはいけない先端部チップ(使い捨てのコンピューターのようなもの)、体に貼る対極板、マーキング用のシート、顔に塗るジェル、冷却ガスタンクなどなど、サーマクールのメーカー自身が販売元ですから、独占で高額になっています。この原価だけで今までのレーザー治療の費用を何倍も上回ります。

チップ自体はビッグファスト450で、
6万円弱の原価がかかっております。照射発数の最も多いものだと、7万円程度、照射可能発数の少ないものでも4万程度はしますので、その他消耗品(1万程度)、高額な機械の減価償却や、長時間の施術にかかる人件費などから、この施術費用が限界であることはご理解下さい。

サーマクール認定医ですか?
私自身はサーマクール認定医となっております。しかしながら、ある一定時間の講習を受けただけでもらえる資格ですので、形成外科の専門医のように6年もかけて大学で研修して取得できる資格とは意味合いが違います。商売する上での看板のようなものであり、サーマクール認定医だから安心かということは疑問です。これを誇張する意味はないと考えております。自分自身への批判にもなりますが、認定医でなくても、全く問題ないと考えて結構です。

ある医師は治療後のコラーゲンのタイプ分類とその変化を通じて、通常の創傷治癒と同じ変化が一部で起こっていると証明しており、私もその意見に賛成です。そしてコラーゲンだけではなく肌の弾力線維であるエラスチンの変化を解明できた時、サーマクールの理論がより一層強固なものとなると信じております。

なお、顔中心部(目の下や鼻ワキ)などに有効なたるみの治療器リラックスFも導入しております。これは費用の面や痛みの面では優れた治療器です。但し、フェイスラインの引き締めには力は弱い印象があります。様々な機器の中から、症状に応じて最適な方法を選択することが重要と言えるでしょう。

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