たるみ治療機ウルセラシステム ulthera system

皮膚の下にある筋膜SMASを局所的に収縮させ、たるみを改善する治療器 ウルセラシステム(Ulthera)について解説します。

2009年9月に米国のFDA(日本の厚労省に該当)で、Liftという分野で初めて承認を得た機械です。
このLiftという承認は画期的で、従来の治療機(サーマクールやタイタン、テノールなど)は全てLiftという言葉で承認は取れませんでした(だからといって効果がないという意味ではありません)。唯一、理論と統計学的にLift効果があると客観的に認められたということです。
現在のところ、eye blow liftつまりは眉の引き上げ効果のみが客観的・数値的に証明されており、承認範囲は順次拡がる計画です。

Liftということで承認を得た世界で唯一の機械であるウルセラシステムに関して、当院では日本初導入(2008年10月導入)となります。

さて、ウルセラシステムで標的とする筋膜SMASというのは、フェイスリフト手術(耳の前を切開してたるみを引き上げる手術)において最も重要な解剖学的構造であり、皮膚を引き上げてもたるみは取れず、このSMASを引き上げることでたるみを取るというのが世界的標準となっています。しかし、従来のたるみ治療機は、皮膚を引き上げること(skin-tightening)が中心であり、たるみの根本を生じているSMASを引き上げることはできませんでした。ここに注目して、開発されたのがウルセラ社のウルセラシステムDeep SEE です。

世界的に高名な米国ドクター達がこの治療機の治験に参加、もしくは購入リストに名前を連ね、大きな評価を得ています。

その理論とは、高密度焦点式超音波を基礎としています。これはレンズを用いて光の焦点を合わせ紙を焼くように、超音波を一点に集中させて、焦点部を破壊するというものです。光のように皮膚表面に吸収されたりしませんので、音波の伝播速度の同じ領域においては焦点のあった部分のみが強烈に破壊されます。この理論を用いた機器は泌尿器科や婦人科、消化器外科領域の癌治療においても使用されています。ウルセラシステムにおいては、1ミリ前後の範囲を破壊するように焦点が絞られ、かつこれを無数に発生させることで、過剰な熱を抑え、必要な部位のみを限局して焼灼します。

               

左上の図のように点状に焼灼しますが、表面には一切傷は生じません。この点状照射が一発の施術で17個生じます。これを顔に万遍なく照射していきます(右上図)。

理論的には最も先進的な機器であり、リスクも最小限に抑えています。コラーゲンが大きく壊れたりするダメージや将来にわたっての大きな心配がない機器と言えます。もちろんメスや電気などは用いませんので、外表面に傷は生じません。

治療の際は痛みがあります。熱い針を当てたような感覚があります(サーマクールよりは痛みが少ない治療です)。額と頸部の照射においては神経周囲が刺激されるために痛みが増します。この部位(ポイント)は少し我慢が必要です。たるみの治療器は組織への傷害が生じるので、効果のあるものほど痛みを伴います。

ダウンタイムは殆どありませんが、表面的な赤みが生じます。通常数時間で消失します。腫れは軽度生じますが、お仕事を休むほどではありません。この点も非常に優れています。これはダメージを与えるべき部位を特定して狙える治療機であるためです。

リスクは、数%に、ピンポイント1〜2ミリ径の小さな色素沈着、毛細血管破壊による皮下出血(黄色い色調で、1週間程度で消失します)が挙げられます。神経周囲を刺激すると、しびれ等の違和感がしばらく続くこともあります。これらは目的とするSMASを破壊しているがゆえです。
従来の機械で、コラーゲンを破壊して皮膚を引き上げるという理論を展開しているものは多くありますが、破壊を伴うのに血管等だけ好都合にも破壊することが皆無というのは、不思議なことです。破壊をしっかりするほど、こういったリスクは皆無にはならないものです。それだけこのウルセラというシステムがしっかりとSMASを破壊しているという証明にもなります。

効果は頬やフェイスラインの引き上げ、眉の引き上げ(これに伴う眼瞼下垂の軽減)、頬上方の張り感です。残念ながら法令線には大きな効果はありません。またサーマクールのような小顔効果はありません。あくまで上方向への引き上げの機械です(サーマクールは3次元的な縮小効果)。しかし、純粋なリフト効果が強く出る治療です。

2009年8月より頸部への照射の安全が確保されたため、頸部への照射を本格的に開始しました。また頬下方の引き上げが弱いことが欠点でしたが、浅層、深層両方を照射する手技が開発されたことにより初期の頃の欠点も克服されました。

治療後3ヶ月ほど経過した患者様の結果として、写真上、肉眼ではっきりと分かる引き上げ効果を得られております。結果が出るのが早い人で1ヶ月、通常2〜3ヶ月程度経過してからという少し効果発現に時間のかかる治療ですが、それだけに本当の意味での引き上げ効果があります。従来の機器による治療では得られなかった変化が生じている患者様も多くいらっしゃいます。

導入当初は分かりにくかった臨床効果も伴うようになり、現在では、サーマクールの対抗機種として、非常に良い結果を出しております。

治療回数は通常1回で、2〜3ヶ月後の状態で少し効果が薄い場合は、ポイント照射にて2回目を実施することでより良好な結果を得ることができます(2回目は3〜4万程度の費用)。効果の持続期間は12ヶ月程度です。

治療費は、消耗品が非常に高額のために、26万円(税別)です。部分照射の場合、眉より下で20万となります。また初期に照射され効果の実感が得にくかった患者様に対しては、新照射方法を8〜10万程度で実施しております。

ホームへ