Bio stimulator エランセ

 

エランセはPCL(ポリカプロラクトン)という手術で用いられる吸収性の糸と全く同じ原料のパウダーでできている注入剤です。皮膚及び皮下周囲にコラーゲン生成を促進する製剤であり、この特性を活かした特殊な注入手技bio-stimulationをおこなって皮膚の張りを出すことが可能です。

 

みやた形成外科・皮ふクリニック 院長 宮田成章

みやた形成外科・皮ふクリニック
院長 宮田成章

防衛医大卒。同大形成外科、札幌医大形成外科、市立室蘭総合病院形成外科勤務の後、美容・形成外科クリニック院長勤務を経て、みやた形成外科・皮ふクリニック開設。

通常の注入剤はヒアルロン酸のようにボリュームを出すことを主としています。もちろんエランセも同じような手技をおこなえば鼻を高くしたり顎を尖らせたり等が可能です。しかしこれではこの製剤を使う利点はあまりありません。最大の特長はコラーゲンを増やすことができる性質bio-stimulatorです。材質自体がPCLを細かなμmレベルの粒子にしたもので成り立っているため、その一つ一つの粒子周囲に線維芽細胞からコラーゲンが出されていきます。コラーゲン線維を周囲に産生刺激するため、通常の注入法ではなく、皮膚の裏に敷石を敷き詰めるように薄く面状に注入すれば肌の張りを出すことが可能となります。ボリュームを出す注入剤ではなく、皮膚を生物学的に刺激し、質を変えていくという考え方です。もともとスレッドリフト(糸によるリフト)にも用いられている材質です。ショッピングスレッド、ウルトラVリフトのような糸を沢山入れるスレッドリフト後は肌質が良くなることが知られています。これをもっと面状に強く均一生じさせるというイメージです。
この手法の主な適応は、目の下のシワたるみ、薄くて広範なニキビ跡、頬の皮膚におけるたるみなどです。 注入時には麻酔薬や水分で希釈してスムーズな状態で注入されるため、目の下など皮膚の薄い部位では水分による浮腫が数日〜1週間残ります。水分は当然ですが吸収され、ごく薄くエランセの成分が残って、6〜12週かけてコラーゲンを産生していきます。ただ、単にコラーゲンを産生するだけではなく、エランセそのものは面状つまり敷石状に皮膚を持ち上げる効果が出ます。

製剤の成分はポリカプロラクトンという成分で、手術で身体の中に埋め込まれる溶ける糸の成分です。加水分解によって吸収されます(1年以上かけて吸収されます)。ほかに水、グリセリン、セルロースが含有されますが、これらはごく短期に身体に吸収されていきます。

実際の手技は、細い筒状の先端が丸い針(カニューラ)を用いて1点から扇状に皮膚の直下へ注入します。通常は麻酔薬を混合しますので、痛みは殆どありません
数ヶ月かけて生じるそのコラーゲン増生効果は、エランセの敷石状の分布と相まって、他の製剤では見られない効果であり、アジア各国では非常に人気があります。

当院では海外の学会等でその手法を学び、現在は率先して治療を実践しています。

なお、治療費は1本で9万円(税別)となります。通常、目の下であれば1本、両頬の広範囲で2本程度必要です。

リスク

全ての注入治療と同じく、針刺しによる皮下出血のリスクはあります。そして水分等が吸収されるまでの1週間、皮膚の薄い部位での注入では浮腫み感が生じます。水分が少ないと不均一性がでるため、どうしても大量希釈による水分の多さが欠点となります。但し、目の下以外の部位では殆ど気にならない程度です。
適切な部位に注入をおこなわないと歪みは生じ得ます。また血管内に誤注入されれば塞栓という血管が詰まる状態、皮膚が壊死し、最悪失明などのこともあり得ます。そのためカニューラという先端が丸い筒状の針を使うことが基本となります。

 

エランセの利点・特徴

エランセは通常の注入剤の考えとは全く異なったことができます。Biostimulatorという新しい概念に基づいて、皮膚を刺激してコラーゲンを増やすと言うことは、これまで難しかった目の下の小ジワや肌の内面からの張り感を出すことができます。なによりコラーゲンが増えるというアンチエイジングには不可欠の要素があることが大きな利点です。材質も既に一般医療で用いられている体内吸収性材料を用いており、得体の知れないものではありません。一方でこのbiostimulatorはボリュームアップするという手技ではありません。一旦特殊な割合で製剤を希釈して、独特の手技で広く散布するように注入しますので、くぼみを埋める力は弱いのです。その作用機序を理解してお受けになる必要があります。

 

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