レディエッセ

レディエッセイメージ

加齢によって変化した顔の輪郭をしっかり作り出す吸収性の注入剤レディエッセについて解説します。
レディエッセ(カルシウムハイドロキシアパタイト剤)は、高粘弾性を兼ね備えた理想的な深部注入剤であり、鼻や顎の輪郭を整える目的に用いられましたが、現在ではそれ以上に頬のたるみ(通称ゴルゴ線・インディアンライン)と法令線、顎へのボリュームアップによる若返り注入法(mass volume injection法)が脚光を浴びています。

レディエッセの誤った使用による危険性について

但しレディエッセは、その硬さゆえに浅く注入したり、血管を圧迫するほどの大量使用は避けなければなりません。ヒアルロン酸の注入と同様、顔面の解剖を理解して正しい部位に注入することが必須です。レディエッセの誤った使用による危険性を回避するためには経験と知識を要することは言うまでもありません。

当院は日本導入初期より本剤を使用し、製造元であるMERZ社に招聘されて海外での講演や各種エキスパートセミナー参加、また国内でも医師向け注入手技のセミナー講師として活動しています。

レディエッセとは

レディエッセ粒子

この製剤はカルシウムハイドロキシアパタイトと水分、ジェルからなっています。カルシウムハイドロキシアパタイトは古くから顔の輪郭手術や歯科・整形外科領域で体内に埋入する物質として用いられてきました(安全に関する長期結果の証明)。純粋にカルシウムとリン酸からなる、異物反応を起こさないバイオセラミックというものです。
その性質上、レディエッセは顎や鼻の輪郭形成に有効であるばかりか、深いシワ(特に法令線・ゴルゴ線)にも有効です。そもそもは骨の代わりに充填できる物質で、これを平滑な微小粒子化し、カルシウムとリン酸の分子として(体内の異物を分解する細胞;マクロファージに)約2年で分解吸収されるようにしたことが特筆すべき事です。
但し、効果の持続を実感されるのは1年程度です。材質は徐々に吸収されていきますので、ある程度の量が吸収されると、効果がなくなってきたと感じるでしょう。
また固形物であるハイドロキシアパタイトを注射器内に充填するために、水分や増粘剤が配合されています。これらは早期に吸収されてなくなるため、また直後は印象として膨化しやすいために、注入から数日でボリュームとしては7割程度まで減少、その後はゆっくりと1年ほどかけて効果がなくなっていきます。

完全に吸収されたあとも、自己組織が残るという特性を持ちます。骨欠損に充填すると、アパタイト構造の隙間に骨を作る細胞が誘導され、骨に変わっていく特性がありましたが、これを骨ではなく皮膚の深い部位に注入した場合は、線維芽細胞(コラーゲンを作る細胞)が入り込み、コラーゲンを新生する作用があります(骨にはなりません!)ので、これが残存するということで、効果としては長期に渡って継続します。但し、自覚される効果としては1年ほどの期間になり、コラーゲンやヒアルロン酸注入と同様、反復治療を要する吸収性注入剤の一種です。

レディエッセの特徴

特徴1
ヒアルロン酸など他の注入剤では出すことの出来ないしっかりとした輪郭形成が可能です。これは何にも代えがたい特徴となります。そもそもが液体の成分ではなく固形物であるハイドロキシアパタイトを微細均一な粒子として注射器に充填しています。固形物ならではの持ち上げる力、形状のシャープさを作る力があります。ヒアルロン酸はゼリーのようなもの、レディエッセはヌガーのようなものです。周囲への馴染みが良く、しこりのように感じることがありません。

特徴2
固形物でありながら吸収性の素材です。実験データでは消退するのに数年かかるようですが、臨床効果としては1年〜1.5年半ほどで吸収されます。微細な敷石状になって皮下組織に残存し、その間にコラーゲン産生を誘導します。アパタイト自体がコラーゲン誘導能を持つため、海外ではbiostimulator、生体刺激物質として肌の若返りにも用いられています。

特徴3
注入剤として10年以上の長期データがある医療材料です。当院でも2008年頃から使用をしています。そしてアパタイトという材料自体になると、さらなる長期の体内埋入データがあり、安全性が証明されています。歯科領域や整形外科領域で用いられていることは周知の事実です。

レディエッセの適応部位

主として頬と顎になります。若々しい輪郭には必須の頬のボリュームを、ふっくらさせすぎずにバランスよく作り出すことが出来ます。また顎を長くするのではなく、形状をシャープにすることによって若々しい横顔を作り、顎周囲のたるみ科員を改善します。ほかにも頬のコケやこめかみのくぼみなどボリューム欠損部位に注入可能です。

治療の流れ

STEP1 清浄
針を刺す部位のメイクを落とし清潔にしていただきます。痛みが苦手な方は事前に麻酔の塗り薬を塗布します。

STEP2 注入
ごく細い針を使って注入します。頬などの柔らかい部位ではカニューレという先端が丸い針を用いて血管を傷つけないように注入します。

STEP3 マッサージ
治療直後に特殊なマッサージ器具を用いて、歪みや辺縁の隆起などを馴染ませていきます。この作業は非常に重要です。必要によっては内出血予防のために冷却をおこないます。

治療費・料金

1本で1.5ccの容量があり、9万円(消費税別)となります。2本使用時は14万円(消費税別)です。1〜2部位程度ですと殆どの場合1本で対応できます。

症例写真

症例の解説

レディエッセ注入による顎の治療ビフォア・アフター
治療前              治療後

顎のラインは加齢とともに鈍化し丸くなります。これが弛んで見える原因にもなります。若い頃はシャープで綺麗な「Eライン」という横顔で鼻先と顎先を結んだ直線ラインに口唇が僅かに触れない程度が理想的です。レディエッセを注入することによってこれを再現しました。顎がしゃくれるのではなく、長くもならず、綺麗に作られているのが分かります。それによって顎周囲のもたつき感もなくなって、引き締まって見えます。

不適応・リスク

レディエッセは輪郭を作るのには優れていますが、柔らかい動きのある部位には不適応となります。顎や頬には注入できますが、まぶたの周囲、口唇内、首などです。1本で余っても、無理に不適応部位への注入をすることは避けています。リスクに関しては内出血が最も頻度の高いものです。針を刺すという性質上、絶対に避けることはできません。そのほか、ごく稀に血管内注入によるトラブルが報告されています。皮膚・粘膜壊死や失明など顔面の血管が詰まることによって生じる症状は多々ありますので、ヒアルロン酸と同様に経験の多い医師による施術が推奨されています。

副作用

副作用として吸収性異物特有のアレルギーの可能性があります。しかしレディエッセの主成分はハイドロキシアパタイトであり、カルシウムとリンというアレルギーを起こさない成分です。但し、これは固形の微細粒子であるために、注射できるように液状化するため、水とキャリアジェルという成分で混合されています。この成分にアレルギーを起こす可能性があり、当院でも1例経験しています。腫れと赤みが生じます。幸いなことにこのキャリアジェルのアレルギー成分は2週間程度でその殆どが吸収されてしまいます。抗アレルギー剤の内服でしばらく様子を見ると症状は消えていきます。

レディエッセの安全性について

その他の安全面に関しては、異物の証である肉芽腫の発生は報告されておらず、米国の認可機構FDAに提出した正規の書面上にもその旨記載され、深いしわ用の治療法として認可されています。このあたりはアクアミドなどのような非吸収性注入剤とは大きく異なります。また吸収性注入剤のうち、スカルプトラ(ニューフィル)のような肉芽腫発生というリスクがないということは非常に患者サイドにとって安心と言えるでしょう。

長期安全性・特性が実験的・臨床的に証明され、かつ他の吸収性の物質(ヒアルロン酸など)よりも持続期間が長いこと、そして上記の新しい組織を作るということがレディエッセの最大のメリットとなります。逆に欠点は浅いシワなどには、その硬さゆえに難しい、浅い層には注入できないことです。深いシワや輪郭という限られた適応にはなりますが、しっかりとした粘性を持つために、今まで微妙な柔らかさを持ってしまった鼻へのヒアルロン酸注入などに対して大きなアドバンテージがあります。一度レディエッセで鼻筋を作ったり、顎や頬の輪郭を作った人は、その自然さ、輪郭の綺麗さから次回以降はヒアルロン酸に変更希望をするということはないでしょう。また、法令線などでも深くに注入するために、触っても殆ど分かりませんので、エステなどに行ってもばれることがほぼありません。

レディエッセの注意点

レディエッセによる治療可能部位

重要なポイントなので繰り返しになりますが、レディエッセは唇やまぶた周囲には使用できません。赤黒くなったり、凹凸が目立ってしまいます。あくまで深い部位の注入、つまり輪郭の変化が主となります。鼻先なども過度に注入すると感染のリスクがありますので、鼻背(鼻筋)が中心となります。
当院では鼻背、顎、深い法令線、口脇のくぼみ、頬のこけ、くぼみ(いわゆるゴルゴ線など)に用いております。
ヒアルロン酸と比較した最大の欠点は溶かす製剤がないことです。もちろん吸収性製剤なので時間とともに消えてくれますが、その場で溶かすことはできません。デザインに関しては医師と事前にしっかり話し合っておく必要があります。

実際に当院では2007年秋より使用をし、国内では最長の使用経験があります。また現在この注入剤を製造するMERZ社(旧Bioform社)のAsian key doctorに指名されており、海外での講演もしております。その理論や安全性、適切な使用法をマスターするとともに、既に世界では大きなシェアを持つこのレディエッセの新しい注入方法なども研究しております。
このような注入剤は長期使用して、注入手技を含めた問題点などをしっかりと把握し、患者様が長きにわたって安心して治療をお受け頂けるようにすることが我々医師にとって最大の務めです。その瞬間だけ綺麗に仕上がっても後々問題をこすような手技を用いることは誤りであり、商業的です。その点をきちんと対応し、治療にあたっております。

レディエッセのインストラクター資格証。医師に対する資格証は宮田院長が日本初です。
日本で最初の、医師に対するinstractor の資格証

実際の臨床においても現在までに既に吸収されること、安全であることをもちろん確認しております。

レディエッセの有用性

レディエッセが最も有用と感じているのは鼻・顎と頬(通称ゴルゴ線・インディアンライン)です。その粘度の高さゆえに、自然に馴染みやすく、顎周りがたるんでしまった場合に、自然な範囲で少し変化させると、視覚的にたるみに有効で、ちょっとしたたるみ治療器よりも明らかな効果が得られます。即効性があるたるみ治療としてもお勧めします(mass volume injection法)。

よくある質問

レディエッセは骨になってしまうのですか?
骨の中に注入しない限り骨にはなりません。専門医であれば常識ですが、骨というのはアパタイトのような細胞ではない成分で出来ているのではありません。アパタイト構造のもとに骨の細胞が入り込んではじめて骨となります。アパタイトはカルシウムとリンで構成される、いわば石灰です。石灰と骨は別物で、よほど大量に注入しない限り、通常は生理的な代謝により消えていきます。人体ではカルシウム代謝というのは常に生じている現象です。実際に整形外科などの現場においても、アパタイトのペーストを骨の欠損部に充填することがあり、その際に骨以外の所にアパタイトはかなりの量漏れ出しています。その部分は全て骨になることなく吸収されてしまうのです。本当に骨になるのなら、骨からはみ出したアパタイトは米粒ほどでも全てきっちりと除去しなくてはならず、臨床的に不可能です。
また実際に、骨の中に針を突き刺してレディエッセを注入することは出来ないことは誰でも分かると思います。関節の中や骨折部位に注入しない限り、そのような心配はないでしょう。
人体というのは、例えば脂肪の液を注入しても脂肪細胞が増えて太ることはありませんし、重症の熱傷部位にコラーゲンを塗っても皮膚の細胞が生じて救命できることはありません。これを起こすためには細胞成分そのものか、それを刺激・誘導する因子(サイトカインやある種の蛋白)が必要なのです。ですから骨の中に注入してさえも、骨を作ることはなかなか難しく、今までの研究でも骨形成蛋白というものを添加して、もしくはアパタイトの構造を特殊にしてなど、様々な試みがなされているほどです。そもそも骨に注入しない訳ですから、骨になることはありません。そうは言っても、もちろん骨膜を狙って深部注入するとその危険性はあり得ますので手技が重要です。
「吸収されずに骨になってしまう、危険な物質だ」というのは誤った情報です。世界の著名な美容外科医、美容皮膚科医が数多く使用している実績もある注入剤です。
レディエッセはしこり、つまり肉芽腫になると聞きました
レディエッセを注入後に硬くなった、しこりになったという話しはあります。これが最も重要なのですが、注入する部位が浅すぎると、硬い成分であるレディエッセはしこりのように触れてしまいます。ヒアルロン酸のうち、硬いタイプの製品もこれは全く同様で、レディエッセに限ったことではありません。しかし、情報不足のためなのか、誤った使用・失敗によってこのような問題が起こっているケースがあります。製品の特徴を理解して正しく注入すればそのようなことは生じません。そしてこのしこりは肉芽腫ではありません。あくまで浅い部位に注入したために生じた「しこり」です。本来は深くに注入すると、ヒアルロン酸と異なって周囲がぼけやすく、どこに入っているかさえ分からなくなるほど馴染みの良い物質です。メーカーも、この誤使用によるトラブル・危険性を一番危惧しており、そのために世界中で使用法についてのレクチャーを開催していますが、残念ながら日本においては正規の輸入ルートではない購入が可能であり、全く注入方法を習得していない医師がヒアルロン酸と同じように注入を行っていることもありますので、注意が必要です。きちんとレクチャーを受けた医師かどうか確認をして下さい。
レディエッセは皮膚が腐ってしまう危険性があると聞きました
注入剤というのは全て等しく皮膚へのダメージのリスクがあります。もちろんごく僅かであり、また誤ったことをしなければ避けることが出来ます。ヒアルロン酸やコラーゲンでも過去に同様のトラブルが報告されていますが、上記と同様、レディエッセは硬い性質を持つために、皮膚の浅い層に注入したならばそのような可能性・失敗があるでしょう。ただ、それがヒアルロン酸よりも高確率であるとか、そのようなデータはありません。
レントゲンで映るのではと心配です
ハイドロキシアパタイトはレントゲンに映ります。しかし通常の条件でのレントゲンで分かるほど高濃度ではありません。骨を映す条件ではほぼ見えることはありませんが、軟部組織撮影という条件では映りますし、CT写真では見えることがあります。ですから法令線に注入した場合でも、歯科で診療の妨げになることはありません(ごく薄い靄のように見えるでしょう)。
内出血するでしょうか
残念ながら、そのリスクはあります。全ての注入剤に共通です。しかし内出血は必ず消えます。2週間程度かかるでしょう。

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