ほくろはレーザーで簡単に取れる?取り残しは? |
ほくろのレーザー治療は最近急速に普及してきました。多くの方が顔の気になるほくろを取りに来院されます。その主流はもちろんレーザーです。治療は短時間で終了しますし、費用も数万円程度で、洗顔・入浴などの制限もほとんどありませんから、非常に気軽に受診されています。当然のことですが、ほくろでも悪性の疑いのあるものに関しては手術で切除します。そのため、診察時には拡大スコープを用いて詳細に観察いたします。
しかし、どんなほくろでも商売のように「さあどうぞ、レーザー治療は素晴らしいですよ」と言って取るつもりはありません。無理なものは無理です。美容である前に医療行為です。適応というものがあり、医学的に不適切な治療はするべきではないのです。
さて、ほくろはそんなに簡単にレーザーで取れるのでしょうか。答えはイエスでもあり、ノーでもあります。レーザーさえあれば、どんなほくろでも簡単に取れるというわけではありません。実際にレーザー治療をしたけど、ほくろが取れなかったという知人はいませんか?レーザー治療は、医師のレーザーに対する知識・技術、ほくろに対する知識、レーザー機器の性能、ほくろの性状によって大きく左右されます。
それでは、「ほくろを取りたいけど不安だ」という方のためにも、当院の治療方法を詳細にご説明いたします。当院のレーザーに対する取り組みや考え方について、ご理解いただけましたら幸いです。
ほくろは、メラニン細胞(母斑細胞)の集まりです。まず局所麻酔の後、傷跡があまり残らない深さで、ほくろを削ります(炭酸ガスレーザー)。これを深く広く行うと、ほくろは完全に取れますが、傷跡が目立つようになります。逆に表面だけ削っても取り切れませんので、再発(?)します。炭酸ガスレーザーのみでは、ほくろを取りきるには無理があります。
そこで、残ったほくろのメラニンを、メラニン色素だけに反応するレーザーで焼きます。この際、正常の細胞はダメージを受けません。ここで、メラニンの量が多かったり、深いところまでメラニンがあるようだと、一回では取りきれないことになります。
この方法により最小限のダメージ・傷跡でホクロを取り去ります。
レーザーの中でもウルトラパルス炭酸ガスレーザーは水分に反応される光の特徴として、電気・高周波と違い正常組織に熱作用を与えず、目的とする部分だけを、深さをミクロン単位で調整しながら削ることができます。当院ではコンピューターで制御されたスキャナーを用いますので、さらに細かい調整が可能です。繊細に調節して除去することこそが重要で、削りすぎると取り返しがつかないことになります。
ほくろの治療後は肌色のテープを貼っていただきます。翌日から洗顔・化粧可能(顔の場合)です。入浴は当日から構いません。数日したらかさぶたができるので(できないこともあります)、以後は塗り薬のみご自分で塗っていただきます。ほくろ治療部位の皮膚が治るまでに2週間くらい、赤みが引くのに1〜6ヶ月くらいです(個人差が非常にあります)。赤みは化粧で隠せる程度です。しばらくはにきびあとの様な感じといえば、おわかりいただけるでしょうか。経験上ニキビ跡の赤みがなかなか引かなかった人はホクロ治療部の赤みが長く残ります。
レーザー治療一回で無理をしてほくろを取りきるのではなく、安全にきれいに仕上げるため数回に分けて治療をすることも多いのです(治療間隔は1ヶ月以上あけます)。もちろん、傷跡を気にしないのであれば、いくらでも広く深く削ることは可能ですが。この無理をしないというのが結構難しいのです。もう少し削れば取り切れそうと思って、削ってしまうと窪みが目立ったりします。慎重に回数をかけてが基本ですし、色を除去するレーザーの出力と照射のテクニックが重要だと感じています。一度ひどい傷跡にしてしまうと、元には戻りません。
以上、おわかりいただけましたか?簡単にほくろを取るように見えて、実際には色々とテクニック・知識を要するものなのです。
従来は炭酸ガスレーザー単独で削るようにほくろを治療していましたが、この場合くぼみがかなり残ることがあるのが欠点でした。これを解決したのが以上のコンビネーションレーザー治療なのです。
さらにくぼみを一切生じずに、きれいにほくろを薄くしたいという方には、特殊な周波の電気療法とレーザーを組み合わせることもできます。通常の電気分解法と異なり、ほくろの皮膚のごく表層のみを破壊した後、メラニンを凝集させて、色素を取るレーザーで一気に破壊します。通常のレーザー療法よりは弱いのですが、平らで薄いものには非常に有効です(これ以外の条件では難しいでしょう。適応は十分に選んでお話をしています)。
また、治療後の赤みに対し、早く引かせるレーザーを照射することもありますし、万一生じた陥凹に関してもこれを持ち上げるレーザーを照射することがあります。もちろん早期の状態では待って頂きますが、長期経過して気になればきちんと対応します。ここまでのレーザーをほくろのために用意しているクリニックは少ないと自負しております。
単純にレーザーを照射すればほくろが取れる、簡単だというふうには考えておりません。ほくろの状態によって実に様々な治療法を組み合わせ、選択していく、またそれだけ多くの治療法ができるかということが重要であると考えます。もちろん悪性の可能性が0.1%でもあれば、メスでの手術をお勧めする事もあります。
以上のように当院はほくろ治療に力を入れておりますので、ある程度皆様のご要望には対処できると思います。
費用ですが、複数台のレーザーの減価償却費がかかりますので、概ね1mmにつき1万円頂きます。ただし、初回のみ5000円割引をいたします(電気療法を組み合わせても費用は同じです)。これは初回治療時のみ頂きます。2回目以降は診察費(1050円)のみですので、ご安心下さい。回数によって治療費が異なるようなことはしておりません。取れるまでの治療費と考えていただければ、結構です。もちろん赤みを引かせたり陥凹を改善するレーザーも治療費に含んでいますので、万一の際、診察費以外に別途費用を頂くこともいたしません。ほくろには力を入れておりますので、万全の体制で臨んでいます。麻酔代や薬代も含んでいます。この点は他のクリニックには絶対に負けないという信念で治療しております。
1回あたりの費用としては高くはない、安価と自負してはいますが、初回にいただく費用としては、レーザーを1種類しか使用しないクリニックより場合によっては高めかもしれません。使用するレーザーの台数と、回数の面でご理解いただければ幸いです。ただ、何度も治療をして、その都度治療費を頂くよりも、初回に治療費をまとめてお支払い頂き、後は納得するまで定額で治療を受けていただく方が安心であると考えております。
また、小さなほくろをレーザーで何個もまとめて取る場合は多少費用が安くなります。
実際に世間の大半のクリニックは炭酸ガスレーザーのみでほくろの治療を行い、まず問題なく傷はきれいになりますが、当院はよりきれいにということを目標に治療に当たっています。
なお、ほくろのレーザー治療にはいくつかの条件も付けさせて頂いております。まず、治療期間ですが、最終治療から半年以内の受診が再診として扱う期限です。これはほくろのレーザー治療自体、美容目的で、再発の確率が0ではありません(さほど多い確率ではありませんが)。半年以内に再発した場合は明らかに当方の取り残しですが、それ以上となると難しいのが現状です。3年後くらいに点状に再発することもありますので、その際はまた治療費を頂いております。
また全てのほくろがレーザーで取れることはなく、特に深いほくろを無理して取るとくぼみが生じることがあります。これは事前にしっかりとお話をして、一部取りきれない可能性があるもしくは取った場合はくぼむということもしっかりとお話をしております。特に青みがかったものは深いので、要注意です。もちろん青色母斑といって非常に青みが強く深いものは、メスでの治療をお勧めしております(保険適応)。
もちろん当院が絶対ではないですし、上手くいかないこともあるかもしれません。しかし、その場合にも誠意を持ってできるだけのアフターケアができるようにしています。取ることにのみ力を入れるのではなく、万一の場合にもリカバーできる機器を揃えています。
ほくろの沢山ある人はほくろの数を減らすことによっても随分印象が変わります。当院でも非常に希望する方の多い治療で、毎日数人はいらっしゃいます。さらにはインターネットのおかげでしょうか、男性の方が3割ほどいらっしゃいます。ほくろを取ると、不思議なことにすっきりとした顔立ちになるようです。でも全てのほくろを取り去るのはお勧めしません。チャームポイントとなるほくろもあります。このあたりは事前によく相談をして下さい。 また、沢山あるほくろのうち、痕が目立ちにくいものを選んで取ることも一つの考え方ですし、これも相談に乗ります。
よくある質問
Q:よそで行った治療でのほくろの取り残しもレーザーはできますか。
A:もちろんレーザー治療は問題なく可能です。ただし、一度かかったクリニックにきちんと診察を受ければ良識ある対処をしてくれることも多いものです。一回で取れると言われていたかも知れませんが、無理をしないで加減して取っただけという、良心的な治療かもしれません。意思の疎通が不十分だったのでしょう。また、レーザー(電気)治療後あまり時間が経っていないようならしばらくは様子を見てからの方が良いと思います。赤みが強くて本当に取り残しているかどうかわかりませんし、くぼみもある程度は改善してくるものです。
Q:麻酔はしないとだめですか?
A:レーザーで皮膚を削りますから麻酔なしでは痛くて不可能です。数秒の我慢です。でも本当に皮膚のほくろ部分のみ麻酔の注射をします。顔が動かなくなったりなどということはありません。安心して受けて下さい。ただし、電気療法との組み合わせでは無麻酔でも可能です。
Q:結婚式があるので、あまり長い時間治療にかかるのはできません。大丈夫ですか。
A:炭酸ガスレーザーで深く削れば一回で取れる確率は上がります。しかし跡も残りやすくなります。ご本人のスケジュールと相談してきっちりと方針を決めます。
Q:レーザー治療後は傷跡は全く残りませんか?
A:少しは跡が残ります。でもほとんどの場合は他人が気づかないようなレベルです。薄く白っぽい跡が残ると考えて下さい。目立っては残らないとお考え下さい。
Q:レーザー治療後の赤みはどれくらいで取れますか?
A:個人差があります。お肌の白いは長く赤みが続くことが多いように感じます。これは単に皮膚の色により目立つかどうかの違いでしょう。また、ニキビ跡が長く赤く残る方は赤みが長く残ります。もちろん大きさにもよりますが、ニキビが潰れた後よりは赤みは長期間持続します。また、赤みが徐々に引いてくるとやや灰色っぽい色素が出てきます。これも時間が経てば徐々に薄くなりますが、日焼けをしてしまうとちょっと色が残ることがあります。いずれにせよニキビが潰れてその後色が引いていく過程と同様の経過をとります(それよりは結構時間がかかりますが)。あまり長い期間、赤みが残る人には赤みを早く引かせるレーザーなども照射しており、これも費用に含んでおります。
Q:レーザー治療後に、お化粧はできますか?
A:治療翌日から可能です。ただし、取った部分の上に肌色のテープを貼っていただき、その上からファンデーションをしていただきます。数日経てばテープを貼らず化粧ができます。ニキビが潰れた直後は炎症があり、傷なので直接化粧しない方が良いのと同じです。
Q:高周波・電気メスの方が綺麗になる、最新であると聞いたのですが。
A:まず、クリニックが炭酸ガスレーザーという、ほくろ取りに用いるレーザーを所有しているかどうか聞いてみて下さい。それを持っている上でそう断言されているのであれば、技術に自信を持っている良心的ドクターと言えます。個々の考えによる違いですから、何も問題ないでしょう。レーザーは機械自体の導入価格が高額ですが、高周波(サージトロン)や電気メスは安価な機械です(当院にもサージトロン高周波治療器は導入されています)。それだけの理由でレーザーを導入せず、高周波の方が優れているという判断であれば、誤っていると言えるでしょう。
Q:出血はしませんか?
A:小さいものであればまず大丈夫です。5ミリを越えるような大きいものですと、レーザー治療当日は出血することもあります。特に血圧の高い方に多いと思います。ただ、ガーゼで押さえておけば止まらないというようなものではありません。腕から採血したあとに出血することがあるのと同じとお考え下さい。
Q:男性で、恥ずかしいのですが。
A:当院のほくろのレーザー治療はかなりの人数が男性です。男だから恥ずかしいという考えは、あまりお持ちにならなくてもよいのではと思います。ワキガの手術や巻き爪など当院は男性も大勢いらっしゃいますので、その点はあまり心配しなくて良いでしょう。エステとは違います。普通のクリニックです。
Q:再発の心配はありませんか?
A:レーザーの場合はどうしても再発の危惧があります。それゆえ、悪性の疑いが少しでもあればメスで切ることを基本とします。通常すぐに再発しませんが、数年後に点状にほくろが出てくるということはあります。それでも、もとのような状態には滅多になりません。例えば治療して1年くらいで元通りになるのは単純に取り残しが明らかなだけです。当院ではこのようなことに対応できるよう取りきれるまでの費用を原則としているのです(最終治療後半年年以内の早期再発のみ、長期経過後再発は別です)。再発は絶対に嫌という方はメスで取る方が確実です。レーザーはあくまで美容目的で取るものです。
Q:保険でほくろのレーザー治療ができるということはありますか?
A:基本的に保険が使えるのはメスで切る場合のみです。縫合を要する治療しか保険解釈上は切除ということになりません。これは日本形成外科学会の保険委員の見解でもありますので、もし保険で取るなら、貴方の所属する健康保険組合には内緒ということになり、道義に反します。当院は正規の保険診療機関であり、形成外科や美容外科学会に所属し、有資格医であるため不正は出来ませんことをご理解下さい。 参照:メスによるホクロの治療について
Q:悪性かどうか診断してください。
A:もちろん治療前には診断します。外観だけではあくまで経験上の診断ゆえ、もし100%を求める場合はメスにて切除し、顕微鏡で検査をします。なお、当方は美容目的の治療が主ですので、単に悪性かどうか心配で診断のみを求めるのであれば、わざわざいらっしゃらなくてもお近くの皮膚科で診断は受けられます。この部分は美容ではなく皮膚科・形成外科の保険診療です。詳しくはほくろとガンについて述べたページをご覧下さい。
Q:どの部位でもレーザーで取れますか?
A:原則として足の裏と手のひらは、レーザー治療を実施しません。癌の疑いがごくごく僅かでもあるからです。必ずメスにて切除し、顕微鏡下の診断を行います。なお、足の裏の場合は消毒の通院が難しいような遠方の方は実施できません(手術後は治療部に体重をかけて歩くことができません)。この場合もお近くの皮膚科か形成外科が良いと思います。
Q:失敗しませんか?
A:もちろん滅多に失敗しないようにしておりますが、こちらでリスクを十分説明した上で治療しても、上手くいかなかったという人もいます。しかし、責任は逃れることはできません。アフターケアに関して、まだ日本では導入台数の少ない機器なども揃え、傷跡などを万全の体制でフォローできるようにしています。そのためには早期のリカバーが重要です。気になったらすぐ連絡をして頂き、必要な処置をすると改善することも珍しいものではありません。時間が経ってしまうと傷跡は安定化し、改善が難しくなります。「泣き寝入り」などということのないよう、事前にお話をしますし、皆さん安心して来て頂いていると信じております。